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「メキシコ国境に壁」はウソ!? トランプ大統領は何を目指そうとしているのか

外交政策はレーガン大統領に近い?

 日米関係のあり方に注目が集まる「外交政策」はどうでしょうか。

 畠山さんは「トランプ政権誕生で、『新世界秩序』などの米国一極主義を唱えた父ブッシュ大統領やネオコン路線の子ブッシュ大統領時代のようになるわけではなく、レーガン大統領の時代(米国の復活、現実主義)に近くなるのでは」と話します。

 シリアへの軍事介入に代表されるように、「ネオコン」の流れを引き継いだのはむしろ、クリントン氏の方だったといいます。

 トランプ氏は軍事的にも「不介入主義」の立場を取り「日本が軍事的に強くなることを奨励するはず」。同氏と安倍晋三首相がかつての「レーガン・中曽根関係」のように蜜月になる可能性も「あるかもしれない」そうです。

 米国については「軍事力が回復すれば、米国と軍事で対立しようとする国がなくなる」とのスタンス。畠山さんは「トランプ氏は実業家なので、経済政策についての考えはあるはずですが、外交は素人であり、誰が外交アドバイザーになるかが注目されます」と分析しています。

(オトナンサー編集部)

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畠山圭一(はたけやま・けいいち)

学習院女子大学副学長

早稲田大学卒。学習院大学大学院中退。ジョンズ・ホプキンズ大学研究員、メリーランド大学客員研究員、ジョージ・ワシントン大学客員研究員、北陸大学助教授、学習院女子大学助教授を経て、2002年から同教授。現在、同大学副学長。専攻は、国際政治、米国政治外交、日米関係。主著に「米国官僚組織の総て」「日米新秩序の構想」(以上、行研)、「アメリカ外交の軌跡」(共著・勁草書房)、「アメリカ・カナダ」(編著・ミネルヴァ書房)、「中国とアメリカと国際安全保障」(編著・晃洋書房)、「台頭するインド・中国」(共著・千倉書房)。訳書に「宗教と国家―国際政治の盲点」(共監訳・PHP研究所)、「ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争」(共訳・共同通信社)など。

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