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自分の髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」参加者が増加、どんな取り組み?

長い髪の寄付は不足

Q.ウイッグを必要とする人の数に対し、ヘアドネーションをする人の数は足りているのでしょうか。

今西さん「ありがたいことに、31センチ以上の毛髪の寄付は年々増えているのですが、ほとんどは50センチ未満です。JHD&Cでは、耐久性を上げるため1本の毛髪を半分に折り返してベースに植えつける製法を取っています。そのため、この長さで完成するウィッグは、15~20センチの長さのもので、主に男性用やボブスタイル用、小さな子ども用になります。

一方、ウイッグの提供を待つ子どもたちのほとんどは、ロングヘアのウイッグを望んでいます。そのためには50センチ以上の毛髪が必要になりますが、これはヘアドネーション全体の1割程度。そうした意味では、長い髪の寄付はまだまだ不足しています」

Q.男性がヘアドネーションを行うこともありますか。

今西さん「お子さんを含め、男性からのヘアドネーションも徐々に増えています。現在、全体の1割程度が男性からの寄付です。ただ、お寄せいただいた毛髪は、ウイッグにする前の段階で全て混ざり合いますので、男性用のウイッグを作るために男性からの毛髪を使うということはありません。ドナーからも『男性用として役立ててください』と依頼されることはありません」

Q.どのようにすれば、ヘアドネーションに参加できますか。

今西さん「ヘアドネーションをするために、髪の特別なお手入れは必要ありません。日々の生活の範囲で、清潔に保っていただければ大丈夫です。パーマやカラーリングしている髪の毛でも大丈夫ですので、伸ばす過程もぜひ楽しんで、気軽に参加していただければと思います。

ヘアドネーション用にカットするときは、カット後のヘアスタイルについて美容師さんとしっかり話し合い、寄付する長さを決めてください。髪の毛は、少しでも湿っているとカビや雑菌が繁殖して、最悪の場合使えなくなってしまいます。せっかくの善意を生かすためにも、必ず『シャンプー前のドライカット』をお願いします。

ヘアドネーションを受け付けている団体はいくつかあり、それぞれ提供対象者や受け付ける毛髪の基準も違います。まずは、その団体のホームページなどに目を通し、自分の気持ちにぴったりくる団体に送ることをお勧めします」

(オトナンサー編集部)

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