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日本人の10人に1人が発症? 「金属アレルギー」のメカニズムと予防・対処法

缶詰や缶飲料は避けた方がよい?

Q.どのような治療を行うのですか。

佐藤さん「まず、パッチテストや血液検査などでアレルゲンを特定します。銀歯や詰め物の成分にアレルゲンを含んでいて、発症の原因として疑わしい場合はそれを除去し、非金属製の詰め物に変える必要があります。金属アレルギーの根治療法はないので、アレルゲンとの接触機会を減らすことで発症を防ぎます。

アレルゲンを含む金属などを身につけないこと、直接触れないようにすること、アレルゲンを多く含む食品をなるべく摂取しないことが大切ですが、完全に避けることは困難なので、金属の腸管吸収を抑える作用のある内服薬を使用したり、アレルギーが発症した場合はアレルギーを抑える内服薬や湿疹の外用薬などで治療します」

Q.接触による金属アレルギーを避けるための対処法は。

佐藤さん「まず、素材を確認することです。基本的なことですが、アクセサリーなどの素材に使われている成分をきちんと確認しましょう。自分のアレルゲン以外の金属のアクセサリーを着ける場合、なるべく金属の純度が高いものを選びましょう。

金属以外の素材を選ぶことも対処法です。樹脂素材、セラミックなどの代替素材を選びましょう。最近では、アレルギーを起こしにくい金属である、サージカルステンレスやチタンを使用したピアスも増えています。自分でできる方法として、コーティング剤を金属に塗るのもお勧めです。

長時間アクセサリーを身につけない、汗をかいたときはアクセサリーを外す、肌に傷がある場合は身に着けないようにする、などの工夫をしましょう。アクセサリー類に雑菌が繁殖しないよう、日頃から布できれいに磨くなど清潔に保管するとともに、アクセサリーだけでなく、素肌も清潔に保ちましょう」

Q.摂取による金属アレルギーを発症しないための対処法は。

佐藤さん「自分のアレルゲンの金属を多く含む食品の摂取を控えるほか、調理を工夫する必要があります。缶詰製品や缶飲料は、金属が溶出することがあるので避けた方がよいです。メッキ製の調理器具も使用しないほうがよいでしょう。水道水については、あまり神経質になる必要はありませんが、朝一番の水道水は1分程度流してから使うことをお勧めします」

Q.金属アレルギーは完治しないのでしょうか。

佐藤さん「基本的には完治しません。しかし、工夫次第では発症を予防できます。繰り返しになりますが、アレルゲンである金属に接触しないこと、その金属を多く含む食品の摂取をなるべく避けることで予防可能です」

(オトナンサー編集部)

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佐藤卓士(さとう・たかし)

医師(皮膚科・形成外科)・医学博士

アヴェニュー表参道クリニック院長。京都大学農学部卒業。九州大学医学部卒業。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽(けんさん)を積み、現在に至る。日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会所属。アヴェニュー表参道クリニック(https://www.a6-clinic.com)。

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