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「わかる」「実践する」ストレスと上手に付き合う方法

ストレス過多の現代社会。日常生活を送る上で誰しもストレスから逃れることはできません。では、どうしたらストレスと上手に付き合って、日々をより健やかに過ごすことができるのでしょうか。その疑問に答えます。

ストレスとは

 「ストレス」はうつ病の引き金となることがわかっていますが、突然、うつ病を発症するものではありません。うつ病になる前には必ず、何らかの「ストレス反応」が見られます。この“うつ病のサイン”であるストレス反応を見逃さないことが大切です。

 ストレスの定義は「何らかの外部の刺激(ストレスの原因)によって引き起こされる変化」とされています。例えば、目の前に風船があるとしましょう。指で表面を押すとします。この時の指の圧力が「外部刺激(ストレスの原因)」で、押されて形が変わることが「ストレス」、戻ろうとする状況が「ストレス反応」に例えられます。

 具体的には、自分の周囲に大きな環境の変化を生じさせる出来事に直面した時、また、想像もしていなかったような状況になった時などに起こる全身の反応です。「イライラ」などと表されますが、感情(心)だけではなく、体(身)にも影響を与えるもので、本人がさほど意識していないことや“一見すると”望ましい変化も引き金となります。

 「ストレス=悪いもの、なくさなくてはいけないもの」と見られがちですが、一概にそうとは言えません。心身に不調をきたさない範囲であれば、ストレスは「人生のスパイス」ともなります。

 心理学者のロバート・ヤーキーズとJ.D.ドットソンの実験結果(ヤーキーズ・ドットソンの法則)によると、ストレスは多すぎても少なすぎてもパフォーマンスを下げる、つまり適度なストレスが、生活する上での刺激となり、働きを良くするとされています。「ストレス=悪」とするのではなく、まずは自分のストレスの状態を把握して効果的に活用すれば、よい刺激(スパイス)となり、生きていく上での潤滑油ともなり得るのです。

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吉野聡先生(こころ)_トリミング

吉野聡(よしの・さとし)

新宿ゲートウェイクリニック医師

1978年神奈川県生まれ。筑波大学医学専門学群を卒業後、精神科病院勤務、東京都知事部局健康管理医(精神科担当)、筑波大学医学医療系助教を経て、2012年7月に吉野聡産業医事務所を開設。また、2015年4月には、働く人のメンタルヘルス問題を解決するため、新宿ゲートウェイクリニックを開院。専門は労働者のメンタルヘルスとその関連法規で、現在は、大企業からベンチャー企業まで幅広く、予防的メンタルヘルス活動と、困難事例への実践的対応に取り組んでいる。著書は「『職場のメンタルヘルス』を強化する」(ダイヤモンド社)、「『現代型うつ』はさぼりなのか」(平凡社新書)など多数。博士(医学)、法務博士、精神保健指定医、精神科専門医、日本医師会認定産業医、 労働衛生コンサルタント(保健衛生)。新宿ゲートウェイクリニック(http://shinjuku-gateway.com/)。