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わかる! 実践する! 「ストレス」との上手な付き合い方

ストレスのサインに気付くには

 ストレッサーによって起こる変化をストレス反応と呼びます。

さまざまな部分に起こるストレス反応

 このようにストレスのサインは、普通に生活を送っていれば、誰もが一度は経験したことがあるものばかりです。さらに、個人やその時の状況によって大きく異なりますので、一般的なサインとして捉えることが難しいもの。そこで見極めのポイントとなるのが「普段との違い」です。

 「イライラや気分の落ち込みがいつもよりひどい」「いつも飲んでいる薬でも頭痛が治まらない」「楽しみにしていたはずなのに出かけるのが億劫(おっくう)で起きられない」など、普段の自分とのちょっとした違いに気付くことが何よりも重要になります。早期に発見できることで、うつ病など心の病気になることを予防できたり、病気になった場合でも回復が早くなったりと、メリットが大きいのです。

 多くのストレスは、原因となるストレッサーから離れ、適切に対処されることで解消されます。例えば、職場でのストレッサーによるものであれば、会社を出てきちんと仕事から離れ、ある程度規則正しい生活を送ることで回復することがほとんどです。その際、きちんと解消されずに、ストレス反応が続いてしまうと、うつ病など心の病気にかかってしまうことがあります。

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吉野聡(よしの・さとし)

新宿ゲートウェイクリニック医師

1978年神奈川県生まれ。筑波大学医学専門学群を卒業後、精神科病院勤務、東京都知事部局健康管理医(精神科担当)、筑波大学医学医療系助教を経て、2012年7月に吉野聡産業医事務所を開設。また、2015年4月には、働く人のメンタルヘルス問題を解決するため、新宿ゲートウェイクリニックを開院。専門は労働者のメンタルヘルスとその関連法規で、現在は、大企業からベンチャー企業まで幅広く、予防的メンタルヘルス活動と、困難事例への実践的対応に取り組んでいる。著書は「『職場のメンタルヘルス』を強化する」(ダイヤモンド社)、「『現代型うつ』はさぼりなのか」(平凡社新書)など多数。博士(医学)、法務博士、精神保健指定医、精神科専門医、日本医師会認定産業医、 労働衛生コンサルタント(保健衛生)。新宿ゲートウェイクリニック(http://shinjuku-gateway.com/)。

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