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わかる! 実践する! 「ストレス」との上手な付き合い方

ストレスを和らげる快眠術

 ストレスを貯めない方法の1つに睡眠があります。毎日のことですので、少し気を付けるだけでも積み重ねによって大きな差がつくところです。睡眠の質は「長さ」と「深さ」によって決まると言われています。そのためには、眠りに就く前のリラックスが重要です。

POINT1.お風呂

 眠気は、体温が上昇した後、低下していくタイミングで訪れます。そのため、入浴は寝る1~2時間前がベスト。38~40度のぬるめのお湯に15分ほど浸かりましょう。湯船の中で軽くマッサージをして全身のコリをほぐしたり、気に入った香りの入浴剤で気持ちを落ち着けたりするのも効果的です。長時間入ってのぼせないよう気を付けてください。シャワーだけでは体の芯から温まることが難しいので、よい睡眠を得るためには湯船に浸かることがポイントです。

POINT2.眠りに入りやすい環境を整える

 寝る前には照明を消して、余計な光を入れないようにしましょう。携帯電話やスマートフォン、タブレットなどの光は不眠につながるので、ベッドに入ったらお休みモードに。

 快適な室温も重要なポイントです。事前にエアコンで適切な温度に設定しておくと眠りに就きやすくなります。夏26~28度、冬18~23度、湿度は50%を目安に。湿気や乾燥が気になる季節は、エアコンのドライ機能や加湿器を併用するとよいでしょう。

POINT3.ストレッチやヨガで体をほぐす

 お風呂上りにストレッチやヨガなど負担の少ない運動を行うことによって、副交感神経の働きが活発になり、リラックス効果が期待できます。テレビを見ながら、またお手入れの合間などに、数分行うだけでOKです。

POINT4.食事は2~3時間前までに済ませる

 食後は、食べた物を消化しようと内臓が働き始めます。消化するには2~3時間かかるため、寝る直前の食事は睡眠の妨げに。とくに脂っこいものは消化に時間がかかるので、食べ過ぎには気を付けましょう。また、食事をすることによって脳が興奮状態となり、眠りに入っても寝つきが悪くなります。一方、夜ご飯を食べずに寝てしまうのも問題です。空腹のために目が覚めたり、血液が脳に集中して寝付けなくなったりする可能性があります。

POINT5.朝起きたら日光を浴びる

 朝、目が覚めたらカーテンを開けて日光を浴びましょう。人間には1日周期でリズムを刻む「体内時計」の機能が備わっており、朝の光を浴びることでリセットされます。きちんとリセットすることによってメラトニンが整えられ、夜になると自然な眠りがやって来るのです。

(オトナンサー編集部)

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吉野聡(よしの・さとし)

新宿ゲートウェイクリニック医師

1978年神奈川県生まれ。筑波大学医学専門学群を卒業後、精神科病院勤務、東京都知事部局健康管理医(精神科担当)、筑波大学医学医療系助教を経て、2012年7月に吉野聡産業医事務所を開設。また、2015年4月には、働く人のメンタルヘルス問題を解決するため、新宿ゲートウェイクリニックを開院。専門は労働者のメンタルヘルスとその関連法規で、現在は、大企業からベンチャー企業まで幅広く、予防的メンタルヘルス活動と、困難事例への実践的対応に取り組んでいる。著書は「『職場のメンタルヘルス』を強化する」(ダイヤモンド社)、「『現代型うつ』はさぼりなのか」(平凡社新書)など多数。博士(医学)、法務博士、精神保健指定医、精神科専門医、日本医師会認定産業医、 労働衛生コンサルタント(保健衛生)。新宿ゲートウェイクリニック(http://shinjuku-gateway.com/)。

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