精神科医が解説! ストレスを感じず、嫌いな人と上手に付き合うヒント
近著に「精神科医が教える ストレスフリー超大全」がある、精神科医で作家の樺沢紫苑さんに、ストレスを感じずに嫌いな人と上手に付き合うヒントを聞きます。
ストレスフリーな毎日を送るには、「悩み」「不安」「疲れ」を取ることが大切です。そのためには、「人間関係」「仕事」「プライベート」「体調」「メンタル」という「普遍的な悩み」に対して、「今何ができるか」が分かっていなければなりません。網羅的に理解するにはどうしたらいいのでしょうか。
今回は、精神科医で作家の樺沢紫苑さんに、ストレスを感じずに嫌いな人と上手に付き合うヒントについて伺います。近著には「精神科医が教える ストレスフリー超大全」(ダイヤモンド社)があります。
人に好き嫌いがある理由とは
もし周囲から、「嫌いな人」がいなくなったとしたら、人間関係がどれほど楽になるでしょうか。職場では、どんなに努力をしてもなぜか合わない人がいるものです。そんな嫌いな人と関わらなければならない場合、どのような接し方をすればいいのでしょうか。
「人と初めて会ったとき、『この人、好き』『この人、嫌い』『この人、苦手』とまず、相手の好き嫌いを瞬時に感じてしまうことはありませんか。なぜ、私たちは『好き嫌い』を判断してしまうのでしょうか。それは『好き嫌い』を無意識に判断してしまう脳の仕組みがあるからです。
脳には扁桃(へんとう)体と呼ばれる部分があります。これは危険を察知して赤信号を出す部分です。何か出来事が起こったとき、マルかバツか、安全なのか危険なのか、ということを瞬時に判断するのです」(樺沢さん)
「危険な場合は脳の中で赤信号を出します。例えば、動物が自分の敵と遭遇した場合、瞬時に対応を取れるように信号を出します。脳と体全体に警戒信号を送り、身を守る準備をさせる司令塔が扁桃体です。扁桃体はさまざまなものについて瞬時に、安全か危険かを判断しています。林を歩いて、足元にヘビがいるのに気付きました。『わっ! ヘビだ』と叫ぶ前に、体がヘビを踏まないように避けているはずです」
樺沢さんは、扁桃体が「ヘビは危険」という警報を出したために、一瞬で体が動いたのだと解説します。さらに、扁桃体は0.02秒という一瞬の速さで「安全or危険」を判断すると言われています。じっくり考えるのではなく、瞬間的に、ほとんど条件反射的に「安全or危険」「好きor嫌い」を判定しているのです。確かに、じっくり考えていたら、その間にヘビに襲われてしまいます。
「人と会ったとき、自分に対して好ましい人なのか、あるいは嫌な人なのか、これまた、瞬間的に扁桃体が判断します。要するに、『好き嫌い』のレッテルを脳が勝手に貼るわけです。その人の過去の経験から、苦手な人の見た目や表情などさまざまな特徴を捉えて、『嫌い』を判断します」
「いったん『嫌い』と判断してしまうと、今度は嫌いという偏見で相手を見てしまうので、余計にその相手の悪いところを探して、さらに嫌いになってしまいます。嫌いな点がたくさん見えてきて、『本当に嫌い』になってしまうのです」
以心伝心…あなたの「嫌い」は筒抜け状態
人間のコミュニケーションの形態は「言語」「非言語」に分かれます。言語と非言語でメッセージを発信したとき、人は非言語を優先する傾向にあります。非言語とはノンバーバル(身ぶり、手ぶり)や、しぐさのことを表します。
「あなたの嫌いな上司に『いつも、ご指導ありがとうございます』とヨイショしたところで、あなたの雰囲気や態度から、あなたの『嫌い』はまんまと見抜かれていることがあると、心理学の実験から分かっています。
人間は好意に対して好意を返します。しかし、その逆も真なり。人間は悪意に対して悪意を返す傾向があります。『嫌い』という感情に対しては『嫌い』という感情を返します。つまり、あなたが上司を『嫌い』と思えば思うほど、上司は非言語的なサインを無意識に察知します」
「そして、あなたに対する態度を、より冷たい、あるいは厳しいものにしていくのです。あなたが上司を嫌うほど上司はあなたに厳しくなり、あなたへの風当たりも厳しくなってきます。しかし、それでは仕事は楽しくないし、モチベーションも上がりません。あなたはさらに上司が嫌いになり、上司もあなたを嫌いになり、人間関係は悪化して深刻な状態へと進行してしまいます」
「嫌い」の連鎖で、最悪の人間関係が出来上がる。それが、うまくいかない人間関係の正体です。人間関係の正体が分かれば、あとは「打ち手」を考えて実行するのみ。まずは、この機会に人間関係のメカニズムについて理解しましょう。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)
精神科医が解説! ストレスを感じず、嫌いな人と上手に付き合うヒント
で、どうすればいいわけ?
この文章から全く読み取れない。