電通社員自殺の悲劇を繰り返さないために…長時間労働者が使える「面接指導制度」とは
大手広告代理店勤務の若い女性社員が、過労を苦に自殺したというニュースが社会に悲しみを広げています。今回は、こうした悲劇を繰り返さないために何が必要なのか、“心の専門家”と一緒に考えます。
大手広告代理店に勤務していた女性社員が、過労を苦に自殺したというニュースが社会に衝撃と悲しみを広げています。
その後も、電力会社に勤務する男性社員が「過労自殺」していた、との報道もなされ、この問題は瞬く間に世間の注目を集めることとなりました。
まだ若かった2人はなぜ、尊い命を断つまでに追い詰められてしまったのか――。今回は、同じような悩みを抱える人が利用できる公的な制度についてお伝えします。
時間外労働100時間以上で医師の面接指導
労働安全衛生法に基づく「長時間労働者への医師による面接指導制度」は、長時間労働で疲労がたまった労働者の脳、心臓疾患発症を予防するため、医師による面接指導を会社に義務付けたものです。
この制度は、労災認定された自殺者に長時間労働者が多いことから、面接指導の際にはうつ病などの精神疾患を予防するため、労働者のメンタルヘルス面に配慮することも求めています。
具体的には、1カ月の「時間外・休日労働時間」が100時間以上の労働者が申し出た場合、会社は医師による面接指導を実施し、その意見を踏まえて、必要があれば就業場所の変更や作業転換、労働時間短縮などの措置を取ることとされています。
時間外・休日労働時間が80時間以上の労働者が申し出た場合や、会社が定めた基準に当てはまる人の場合、面接指導か、それに準ずる措置を実施する必要があります。
この「措置」には、保健師による保健指導や産業医の助言指導などが含まれます。
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