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年度替わりは「相手」「仕事」でストレス…自分がアガる要素を見極めよ!

4月になると環境が変わることも多く、ストレスを感じやすくなります。ストレスにうまく対処する方法はあるのでしょうか。

年度の替わり目はストレスを感じやすくなる
年度の替わり目はストレスを感じやすくなる

 年度の替わり目は、誰しもストレスを感じやすくなるものです。ストレスを感じる原因が分かれば対処のしようがありますが、原因となりそうな日々のさまざまな出来事が100あって、100通りの対処をしなければならないとしたら気が遠くなるような話で、誰もができるというわけではありません。

 できるだけ簡単にストレスに対処できる方法があれば、それに越したことはありません。筆者は、ストレスは「人に対するストレス」「仕事に対するストレス」「環境に対するストレス」に大きく分けられると思います。環境に対するストレスは自分でコントロールできないこともあるので、「人に~」「仕事に~」に対処する方法について紹介したいと思います。

意欲を高める「牽引志向」「調和志向」

 人に対するストレスも、仕事に対するストレスもその原因を分解していくと、モチベーションファクターにあることが分かってきました。モチベーションファクターとは、モチベーションが上がりやすいファクター、つまり意欲が高まりやすい要素です。

 筆者はモチベーションファクターを、「牽引(けんいん)志向」「調和志向」の2つに大別しています。肉食系と草食系、狩猟型と農耕型、オオカミ型とヒツジ型というように捉えると分かりやすいと思います。

 1人でチャレンジしたり工夫したり、責任を果たしたりすることで意欲が上がる人は「牽引志向」です。みんなで協力したりリスク回避したり、バランスを取ったりすることでモチベーションが上がる人は「調和志向」です。

 どちらがよいかということではなく、それぞれ意欲が高まる要素が異なるというわけです。モチベーションファクターは人それぞれ異なりますが、筆者の演習に参加した人の傾向を調べると、「牽引志向」「調和志向」は51.4%、48.6%と半々に分かれます。

 一定期間、一緒に仕事をしている人とは、無意識のうちに相手のモチベーションファクターを見極めて、相手のモチベーションファクターに合わせたコミュニケーションをしていることが多いものです。また、「類は友を呼ぶ」と言いますが、同じモチベーションファクターの人同士は気が合うということも事実です。

異なる要素をつなげる

 しかし、年度の替わり目で、新しく出会った人と仕事をしたり同じクラスになったりするため、これまでのコミュニケーションの仕方が通用せず、お互い話が通じなかったり、行き違いが生じたりしてストレスになるというわけです。

 仕事に対するストレスも同じ原理です。例えば、周りと合わせることが得意ではなく、独自の発想でアイデアを出して仕事をするとモチベーションが上がる牽引志向の人が、年度が替わり、できるだけ自分を出さないようにして、周囲と協力し合って進める必要のある調和志向の仕事をしなければならなくなった場合などに、ストレスを感じやすいわけです。

 相手のモチベーションファクターでも仕事のモチベーションファクターでも、自分のモチベーションファクターとは異なる相手や仕事と対処しなければならなくなったときは、相手や仕事のモチベーションファクターと自分のモチベーションファクターをつなげればよいのです。

 例えば、仕事であれば、まずは自らアイデアを出して(牽引志向)、それからみんなで共有する(調和志向)という動機付けやプロセスをセットにするのです。とても簡単で効き目のある方法ですので、ぜひ試してみてください。

(モチベーションファクター代表取締役 山口博)

山口博(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター代表取締役

長野県上田市出身。慶応義塾大学法学部卒業。国内外金融・IT・製造企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て現職。モチベーションファクター(R)(意欲を高める要素)をてこにした分解スキル反復演習(R)型能力開発プログラムを開発、展開しているグローバルトレーニングトレーナー。横浜国立大学大学院非常勤講師。主な著書に「ビジネススキル急上昇日めくりドリル」(http://amzn.asia/d/cwWsVkE)、「チームを動かすファシリテーションのドリル」(単行本=http://amzn.asia/d/6ZPWVaC、新書=http://amzn.asia/d/hRTRrvn)、「99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100」(http://amzn.asia/d/8z6NmSl)。

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