「ニンニク」料理食べたら口臭、体臭がひどい…体質が原因? 医師が教える“臭い抑えるコツ”
ニンニク料理を食べると口臭や体臭が出やすくなります。そこで、ニンニクの摂取後に口臭や体臭が出るのをできるだけ防ぐ方法について、医師に聞きました。

ギョーザやペペロンチーノなどのニンニク入りの料理を食べたときに、口臭や体臭がひどくなったことはありませんか。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。ニンニク料理を食べた後にできるだけ口臭や体臭を抑える方法も含め、浅草橋西口クリニックMo(東京都台東区)院長の頴川博芸さんに聞きました。
ニンニクに含まれる「アリシン」の排出時に臭いが生じる
Q.そもそもニンニクを食べると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
頴川さん「ニンニクはその独特の風味でさまざまな料理に活用されるだけでなく、古くから健康に良い食材として知られています。ニンニクを摂取するメリットと、過剰摂取によるデメリットを理解し、適切に取り入れることが大切です。摂取のメリットは次の通りです」
■滋養強壮、疲労回復
ニンニクに含まれる香気成分のアリシンは、ビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。ビタミンB1は糖質を効率よくエネルギーに変える手助けをし、疲労回復やスタミナアップにつながると考えられています。
■免疫力向上
アリシンには強い殺菌作用、抗菌作用があり、免疫力を高め、風邪などの感染症予防に役立つ可能性があります。
■生活習慣病の予防
ニンニクに含まれる硫黄化合物には、血液をサラサラにする効果や悪玉(LDL)コレステロールを低下させる効果が期待されています。これらの効果により動脈硬化や血栓の予防につながり、心臓病や脳卒中といった生活習慣病のリスク低減に貢献する可能性があるのです。また、強い抗酸化作用により、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化やがんの発生を抑制する効果も期待されており、研究が進められています。
■冷え性の改善
ニンニクを摂取することで血行が促進され、体の末端への血流が改善されるため、冷え性の緩和につながる可能性があります。
■メンタルへの効果
研究段階ですが、ニンニクの摂取がストレスや不安の軽減に作用する可能性も示唆されています。
Q.では、ニンニクを食べ過ぎた場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか。
頴川さん「ニンニクを過剰に摂取すると次のようなデメリットが生じる可能性があります」
■胃腸への刺激
ニンニクに含まれる成分は胃腸の粘膜を刺激する作用が強いため、食べ過ぎると胃痛や腹痛、下痢、胸やけ、吐き気などの消化器系の不調を引き起こすことがあります。特に生のニンニクは刺激が強いので注意が必要です。
■口臭、体臭の悪化
主にアリシンが分解されたときにできる強いにおい成分が体内で吸収されると、呼吸や汗として排出されるため、ニンニクを食べた後は口臭や体臭が強くなります。この臭いは比較的長時間持続することがあります。
■腸内環境の悪化
強い殺菌作用を持つアリシンは、悪玉菌だけでなく善玉菌まで減らしてしまう可能性があり、腸内環境のバランスを崩すことがあります。
■貧血
ニンニクの過剰摂取により、体内のヘモグロビンが減少することで貧血を引き起こす可能性が指摘されています。
■肌荒れ、口内炎
ニンニクの過剰摂取により腸内環境が悪化した場合、ビタミンB群の吸収が阻害され、肌荒れや口内炎が生じることがあります。
■薬との相互作用
ニンニクを過剰に摂取すると、特定の薬剤の効果に影響を与える可能性が報告されています。
■アレルギー反応
体質によっては、ニンニクに対してアレルギー反応を示し、皮膚のかゆみや発疹などの症状を引き起こすことがあります。
ニンニクの1日の摂取量の目安としては、加熱したもので1日当たり4片(約20グラム)程度、生であれば1日あたり2片(約10グラム)程度が良いとされています。体調や体質に合わせて調整することが重要です。
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