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【モデル座り】は“腰痛”原因のひとつ 改善法を柔道整復師に聞いた

両脚をそろえて左右のどちらかに流して座る「モデル座り」。それが原因で腰痛になるといいます。そこで理由について、柔道整復師に聞いてみました。

「モデル座り」が腰痛の原因のひとつに
「モデル座り」が腰痛の原因のひとつに

 両脚をそろえて左右のどちらかに流して座る「モデル座り」。雑誌やテレビなどでもたびたび見かける座り方で、脚が長く見え、特に印象が悪いこともありませんが、股関節に負担がかかって腰痛の原因になることも。そこで、「モデル座り」が体に与える影響について、匡正堂齋藤整骨院 永福院長の齋藤洋一郎さんに聞きました。

「モデル座り」をしがちな人は骨盤底筋を意識

Q.まず、「モデル座り」について教えてください。

齋藤さん「椅子に浅く座った状態で両脚を一方向にそろえていますよね。左右の股関節の重心を同じ方向にかけてしまうため、骨盤の安定性が崩れてしまいます」

Q.「モデル座り」が腰痛の原因になるのはなぜですか?

齋藤さん「以下のようなことが原因になっていると考えます」

◆骨盤の傾きに対する脳の反応

片側に脚をたたむ姿勢は、骨盤がその方向に傾いている状態。どちらかを支える体勢に脳が対応する形で、片方の筋肉は縮んで硬くなり、もう一方は伸ばされて硬くなり、それが脳からの指令で固定化されて腰痛につながるケースです。

◆腹筋と背筋のアンバランス

背筋がピンと伸びているのはよい姿勢に見えますが、長時間続けてしまうと、背筋が緊張してしまい、反り腰を助長してしまう可能性があります。特に腹筋の支えが弱い女性の場合、代償的に股関節がねじれを起こし、腰痛につながるケースがあります。

Q.「モデル座り」が原因の腰痛に行うとよい対策を教えてください。

齋藤さん「日常的に『モデル座り』をしている人は、以下を取り入れてみてください」

◆腹圧を高める深呼吸を意識

骨盤底筋を意識して吐ききる呼吸により、腹圧が高まり下腹部の支持力を安定させるだけでなく、骨盤内に停滞した血液を送り出すことができます。
フーッと長く息を吐いたときに自然とお尻がキュッと閉まれば正しい呼吸ができている証拠。しっかり吐ききることでお尻が引っ込み、骨盤底筋を引き上げる力が作用します。

◆前後傾運動を取り入れる

腰痛の原因となっている筋肉のフリーズや血流の低下にアプローチする“骨盤の前後傾運動”を取り入れるとよいでしょう。

骨盤の前後傾運動のハウツーとして、(1)椅子に座って足裏を床にピタッとくっつける。(2)おへそを突き出したり引っ込めたり、反る動作を繰り返してみてください。

※ ※ ※

 モデル座りを続けてきたことで、すでに骨盤の前後左右のバランスが乱れてしまっているかもしれません。深呼吸をして骨盤底筋にアプローチすることに加えて、骨盤の傾きを整えるエクササイズを取り入れることが有効です。時間のないときは、簡単にできる安楽座(あぐらの姿勢)や四股ポーズで内腿の筋肉を伸ばすのもよいでしょう。

(オトナンサー編集部)

【えっ!】コレで腰痛がラクになるかも? 腰痛改善の「前後傾運動」がコレです!

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齋藤洋一郎(さいとう・よういちろう)

匡正堂齋藤整骨院 永福・院長

山野医療専門学校で柔道整復学を学び、2012年に柔道整復師の免許を取得後、修行を経て2023年、匡正堂齋藤整骨院 永福本院の院長に。背筋へのアプローチを中心とする民間療法“匡正術”を軸に、構造医学、神経機能訓練(FNT)を取り入れ施術を行っている。構造医学正規講座受講会員、FNTレベル2認定トレーナー。

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