糖尿病になったら「もう白米は一生食べられない」って本当なの?【糖尿病専門医が解説】
発症すると、食事に制限がかかるイメージが強い糖尿病。中には「糖尿病になったらもう一生白米が食べられなくなる」と思っている人もいるようです。実際のところについて、専門医に聞いてみると……。

「糖尿病」という病気に対し、「好きなものを自由に食べられなくなる」というイメージを持つ人は多いと思います。実際、糖尿病を発症すると食事に関して制限されることが少なくありません。中でも、「診断されたら白米は絶対に食べてはいけないって聞いたことあるけど…」「少しだけでも食べちゃダメなの?」「糖尿病になったら、もう一生白米は食べられないのかな…」など、「白米」に関する疑問の声が聞かれることがよくあります。
実際のところ、糖尿病になった人は「白米」を食べるのを完全にやめなければならないのでしょうか。自身も30年の1型糖尿病歴がある、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに教えていただきました。
玄米や雑穀米でも「多く食べると意味がない」
Q.「糖尿病を発症したら、白米を絶対に食べてはいけない(食べるのを完全にやめなければならない)」というのは事実といえますか。
市原さん「事実ではありません。確かに、炭水化物(食物繊維+糖質)は血糖値に影響するので、食べすぎると血糖値を上げやすくなりますが、適切な量であれば白米でも食べて構いません」
Q.「適切な量」とは、どのくらいなのでしょうか。
市原さん「1日3食、白米を食べても構いません。ただし、糖尿病の人はご飯の量を、女性で100〜150グラム、男性で150〜200グラムを目安にしてください。身長や体重によっても異なるので、詳しくは主治医に確認しましょう」
Q.糖尿病と診断されたのをきっかけに、主食として玄米や雑穀米を選ぶようになる人もいると思います。糖尿病の人の「主食選び」について、アドバイスをお願いします。
市原さん「玄米や雑穀米には食物繊維が多く含まれているので、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。白米よりは血糖値を上げにくいですが、量を多く食べると意味がありません。
逆に、白米でもよくかんでゆっくり食べることで血糖値の急上昇を抑えることは可能なので、絶対に白米を食べてはいけないわけではなく、選択肢があるなら玄米や雑穀米を選ぶといいと思います」
(オトナンサー編集部)
コメント