台風時の計画運休に86%が肯定的 訪日外国人調査、日本人と同じ傾向示す
台風が接近している際に公共交通機関が「計画運休」などの対応をすることについて、訪日外国人の86%が肯定的に捉えていることが分かりました。
台風接近時に空港の封鎖や電車の運行停止といった対策を公共交通機関が行うことについて、訪日外国人の86%が肯定的に捉えていることが、調査会社「サーベイリサーチセンター」(東京都荒川区)が行った調査で分かりました。鉄道の運休を事前に告知する「計画運休」については、周知のタイミングや方法などで課題も指摘されていますが、同社が日本人を対象に行った調査でも理解を示す意見が9割に上っており、日本人、外国人ともに傾向は一致しています。
情報提供、多言語対応には課題
サーベイリサーチセンターが10月10日に結果を発表した「台風24号の災害情報等における事前対応に関する訪日外国人調査」で明らかになりました。調査は、9月30日~10月1日に日本列島を縦断した台風24号について、訪日外国人の情報収集法や行動を調べるため、10月3日に羽田空港で実施。9月30日時点で日本に滞在していた訪日外国人旅行者を対象に面接式で行い、中国人や韓国人など男女計186人から回答を得ました。
調査では、台風で困ったことを複数回答で質問。「特になし」「影響はなかった」という人が48.9%いましたが、「空港や交通機関が止まった」と回答した人が26.3%で、「空港や交通機関の情報や動向が把握できなかった」と「すべての日程が狂い多額の負担が生じた」が各10.8%、「テレビ等での台風等の放送が理解できなかった」が9.7%で続きました。
交通機関の停止で困った人が約4分の1いたにもかかわらず、台風接近に伴って公共交通機関が封鎖や運行停止をすることについては「必要だと思う」が74.7%、「まあ必要だと思う」が11.3%と、合計で86.0%が肯定的に捉えていました。この傾向は、台風21号通過後に大阪市内在住者を対象に同社が実施した調査でも同じでした。
また、災害発生時に希望する対応について複数回答で問うと「スマートフォン等で災害・交通・避難情報の提供を多言語でしてほしい」が44.1%で最も多く、「母国語のマニュアルを配布してほしい」(36.0%)「テレビ等でも英語等で表示してほしい」(35.5%)と多言語での情報提供を求める声が多数を占めました。
サーベイリサーチセンターで調査を担当した、グローバルマーケティングリサーチ部インバウンドリサーチ課の担当者は「台風21号後の調査で『計画運休』に肯定的な日本人が多かったため、外国人の傾向を知りたくて調査したが、日本人と同様の傾向だった。その一方で、情報提供で多言語対応を求める声が多く、環境整備は引き続き課題だと思う」と話しています。
(報道チーム)
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