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部下の「ほう・れん・そう」への対応で重要なのは「お・ひ・た・し」だった!? 専門家に聞く“イマドキ上司の心得”

部下の心得として知られる「報・連・相(ほう・れん・そう)」。これに対応する上司が心得ておくべき「お・ひ・た・し」を知っていますか? ビジネスマナーの専門家に聞きました。

「ほう・れん・そう」には「お・ひ・た・し」?
「ほう・れん・そう」には「お・ひ・た・し」?

 あらゆる業界、年代において「部下の心得」として広く知られている「報連相(ほう・れん・そう)」。これに対応する上司が心得ておくべきといわれている「お・ひ・た・し」を知っていますか? 一見すると料理名のようですが、実はこの「お・ひ・た・し」が部下との関係構築、ひいては業務の円滑化につながるといわれているようです。

 そこで、ビジネスシーンにおける「ほう・れん・そう」に対する「お・ひ・た・し」とは何なのか、ヒロコマナーグループ代表で、収益アップに貢献する企業の人財育成マナーコンサルティングをはじめ、皇室のマナー解説やNHK大河ドラマ「龍馬伝」、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、同シリーズ最新作「密漁海岸」のマナー指導などでも活躍するマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに教えていただきました。

「お」は「怒らない」

Q.まず、ビジネスシーンにおける「報連相(ほう・れん・そう)」について教えてください。

西出さん「まず、『報連相』の核となる点はコミュニケーションにあります。これらは主に、上司に対して部下に求められることです。

報告』は、主に過去と現在のことを伝えます。(1)業務の進捗状況(2)情報の共有―の2つがポイントです。

(1)は、例えば上司から『あの件、どうなっている?』と聞かれる前に進捗状況を報告しておくと双方にとってプラスです。(2)は、『え? そうだったの!?』という感情を含めたトラブルを避けるために大切です。

連絡』は、主に未来に関わることを伝えます。例えば、『明日の会議は3階の会議室から、5階の会議室に変更になりました』『◯月◯日に送別会を予定しています』というのは、連絡です。『それ聞いてないよ!』などのトラブルを防ぐことができます。

そして『相談』は、(2)後々のトラブルを防ぐ可能性(2)時間の効率化―の2つがポイントです。(1)は、判断がつかないことを相談せずに行ってしまった結果、とんでもないトラブルになるケースがあります。そうならないためにも相談は大切です。(2)は、どうすればいいのか悩むと業務を先に進めることができなくなりますね。それを後回しにしたら、行うことを失念してしまった……などの事態もあり得ます。ある程度は自身で考えたり、調べたりすることが必要ですが、それ以上は難しいと思ったら相談し、結論を出すと安心です」

Q.では、「ほう・れん・そう」に対する「お・ひ・た・し」とは何ですか。

西出さん「『お・ひ・た・し』の核となる点も、良好なマナーあるコミュニケーションにあります。これらは主に、部下に対して上司に求められることです。

ビジネスシーンでいわれる『お・ひ・た・し』とは、次の通りです。

(お)…怒らない
(ひ)…否定しない
(た)…助ける
(し)…指示する

マナーは相手の立場に立つところからスタートします。部下の立場に立ったときに、『怒らない上司』『否定しない上司』『助けてくれる、サポートしてくれる上司』『的確な指示を出してくれる上司』は、リーダーとして格好よく、ありがたい存在だと感じるものです」

Q.ビジネスシーンで「お・ひ・た・し」を心がけることによって、どんな効果やメリットがあると考えられますか。

西出さん「まず、『怒られない』ことで相手が萎縮しませんから、部下の仕事のパフォーマンスが上がるでしょう。『怒る』と『叱る・注意する』は異なります。『怒る』は感情に任せて“自分中心”に言いたいことを言う行為なので、相手が『怖い』と感じることもあります。一方、『叱る・注意する』は、相手(部下)を思うからこそ伝えなければならない“相手中心”からなるマナーある姿勢といえます。

次に、『否定されない』ことで、相手の自己肯定感が守られますから、モチベーションの低下を避けることができます。言い方次第では、むしろモチベーションアップにつながります。

相手を否定せずに自分の意見を伝えるコミュニケーション法に、『イエス・バット法』があります。これは、相手が言ったことに対して、いきなり否定せずに、まずは『それいいね』とか『そういう考えもあるね』などの言い方で肯定します。その後に、自分の意見を伝えます。しかし、ここで終わっては結局、相手の意見よりも自分の意見を通す一方的なコミュニケーションとなりかねません。そこで、最後に『どう思う?』と相手の考えを聞いて差し上げると、さらに良い関係構築になります。

続いて、『助ける』ことは、まずは部下をサポートすることで、最終的には部下が結果を出すことにつながります。サポートだけでは難しいと判断したら、助けて差し上げましょう。サポートしてくれたり、助けてくれたりした上司に、部下は感謝します。感謝されるとその後の関係や仕事もスムーズに進むことでしょう。

最後に『的確な指示を出す』ことで、部下は自分が何をすべきかが明確になり、安心します。上司からの的確な指示で『助かった』という部下は少なくありません」

Q.その他、上司が「お・ひ・た・し」を意識する上で注意するべきことは。

西出さん「マナーは相手の立場に立ち、最終的に相手がプラスになることを先手で行い、喜んでいただくこと。『お・ひ・た・し』を行う上で、そのアクション以前の心構えとして、部下を思いやる気持ちからなる『お・ひ・た・し』であることを意識し、それを伝えるときの表情や態度、声のトーン、言い方などにも注意することで、『お・ひ・た・し』は成功することでしょう」

(オトナンサー編集部)

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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