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「眠くなるから朝食は食べない」 糖尿病専門医が推奨する「眠くなりにくい朝食メニュー」の方程式

「食べると眠くなってしまうから」と、抜く人も少なくない「朝食」。眠気が起きにくい朝食メニューの選び方について、糖尿病専門医に教えていただきました。

「眠くなるから」と朝食を抜く人も多いけど…
「眠くなるから」と朝食を抜く人も多いけど…

 1日をスタートさせるためのエネルギーとして、重要性が指摘されることの多い「朝食」。「毎朝欠かさずに食べる派」の人がいる一方で、「食べない派」という人も少なくありません。その理由としてよく聞かれるのが、「食べると眠くなってしまうから」。朝食を食べて眠気が起こり、朝からパフォーマンスに影響が出ることを懸念している人もいるのではないでしょうか。しかし、朝食メニューの選び方によっては、眠気を防ぐことができるようです。

 そこで、食べても眠くなりにくい朝食メニューとその選び方について、eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

甘いパンは「血糖値スパイク」を誘発

Q.そもそも、朝食を食べた後に眠くなってしまうことがあるのはなぜですか。

市原さん「食事による血糖値の上昇を防ぐために、すい臓から『インスリン』というホルモンが分泌されます。この分泌が正常であれば、食後の血糖値が上昇することはありませんが、インスリンの分泌量が少ない人や分泌のタイミングが遅い人は、食後の高血糖を起こすことがあります。これが、いわゆる『血糖値スパイク』です。血糖値スパイクがあると、眠気を感じることがあります」

Q.朝食後に眠くなりやすい人の特徴はありますか。

市原さん「血糖値スパイクを起こしやすい人として、まず『糖尿病』を患っている人が挙げられます。糖尿病でない場合、男性では40代以降の人、女性では50代以降の人、過食や運動不足などがあり肥満傾向の人、2型糖尿病の家族歴がある人、筋肉量の少ない若い女性などが、朝食後に眠気を感じやすいといえます」

Q.朝食後に「眠気が起こりやすい」メニューを教えてください。

市原さん「朝食に糖質を多く取ると、血糖値スパイクが起こりやすくなります。例えば、菓子パンなどの甘いパンや、野菜やおかずなしで『食パンだけ』『おにぎりだけ』を食べるときなどです。これらに加えて甘い飲み物を飲むと、血糖値スパイクが起こる可能性がさらに高くなります」

Q.一方、「眠気が起こりにくい」朝食メニューとは。

市原さん「糖質の低いメニューは眠気が起こりにくいのですが、野菜やおかずだけを食べる人は少ないと思うので、『適量のパンやご飯など』+『タンパク質や脂質の取れるおかず』を組み合わせて、一緒に食べるのがおすすめです」

Q.「眠くなるのが嫌だから朝食は食べない」という人は少なくないようですが…。

市原さん「朝食を食べないと、昼食後の血糖値が上がりやすくなります。また、3食バランスよく食べることで、過食を防ぐ効果が期待でき、一日に必要な栄養素を摂取できるので、朝食は取りましょう」

(オトナンサー編集部)

【要注意】「えっ…うそでしょ…?」 これが「眠気」が起こりやすい朝食メニューです!(4枚)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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