お風呂場や洗面所の「鏡」が汚い! “ピカピカ”にするための方法&コツ、掃除のプロが伝授
家の中にある「汚れやすいけど掃除が面倒」な場所や物。きれいな状態を保つための掃除術を、掃除のプロが伝授します。今回は「鏡」です。
家の中にいくつか存在する、「汚れやすいけど掃除が面倒」な場所や物。しかし、面倒だからといって汚れたまま放置していると、ますます汚れが落としにくくなる恐れもあります。
そんな「掃除が面倒な場所・物」について、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに、汚れの特徴や掃除のポイントを教えていただきました。今回は、水回りや玄関など、家の各所にある必需品「鏡」です。
設置場所によって汚れの種類が変わる
Q.鏡には、どんな汚れが付着しやすいのですか。
有賀さん「鏡に付着しやすい主な汚れは、水あか、皮脂汚れ、ほこりなどです。鏡が設置されている場所によって、付着する汚れの種類も変わってきます。
お風呂場など、鏡に水が直接かかりやすい場所では、白っぽいうろこ状になった水あか汚れが目立ちやすくなります。水あかは、水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル成分が付着して乾き、それが固まり…を繰り返して蓄積したものです。
頭や体を洗ったシャンプーやボディソープの泡が鏡に飛び散り、そのまま流さずにいると、皮脂とせっけんが反応してできる『せっけんカス』が付着することもあります。鏡よりもプラスチック部分につきやすいのですが、せっけんカスが水道水に含まれるミネラル成分と結合すると、『金属せっけん』と呼ばれる、より頑固な汚れになります。
同じ水回りにある鏡でも、洗面台の鏡は水道水が直接かかることが少ないですが、お風呂場の鏡とは違い、スキンケアをするときについたオイル成分や飛び散った歯磨き粉、整髪剤、化粧品が付着していることもあります。洗面台の鏡の裏部分が収納になっているケースでは、扉を開け閉めする際に皮脂汚れがついていることも多々あります。
また、玄関先に置いている鏡には砂ぼこりが、リビングやクローゼットに設置されている鏡にはほこりがつきやすくなります。小さなお子さんがいる場合は、鏡を素手でベタベタ触って手あかがつく場合もあるでしょう」
Q.鏡の掃除をする際、特にチェックすることが推奨される汚れや部分はどこでしょうか。
有賀さん「鏡の素材はガラスミラーが一般的です。ただし、アルミミラーやフィルムミラーなどさまざまな種類があるので、事前に鏡の素材や、加工がなされていないかなどを確認しておきましょう。鏡の汚れをチェックする場合は、正面以外にも、下や横からなど角度を変えて見てみるようにしましょう。各場所の鏡について、推奨する掃除方法や注意するとよいポイントは次の通りです」
【お風呂場の鏡】
水質によっても水あか汚れの付着具合は変わってきますが、放置すればするほど汚れが蓄積されて頑固になるので、早めに対処するようにしましょう。頑固になってしまった水あかには、クエン酸水+キッチンペーパー+ラップでしばらくの間“湿布”をして、汚れをやわらかくしてからメラミンスポンジでこすります。一度で落ちない場合は、数回同じ作業を繰り返しましょう。それでも落とせない汚れは、人工ダイヤモンドの研磨剤がついたスポンジで研磨すると効果的です。
【洗面台の鏡】
洗面台の鏡は、歯磨き粉の飛び散りや軽い手あか程度であれば、水分と、水拭きした跡が残らないよう糸くずが出にくい乾いた布で拭き上げるだけでもきれいになります。
スキンケアやメークをした手で鏡に触れたことによる、オイル成分や手あかの汚れがひどい場合は、中性洗剤を使えばきれいに落とせます。また、きれいな布に無水エタノールを吹き付けてから拭いても効果的です。洗面台の鏡が、水滴がよくかかるところにある場合は、お風呂場の鏡の掃除方法に準じます。
【全身鏡(玄関、リビング、寝室など)】
比較的大きめな鏡が多く、設置の仕方も壁に掛けたり、壁に立てかけたり、スタンドがあって自立したりとさまざまかと思いますが、真っ直ぐに設置していても、いつの間にか鏡にほこりが付着してきます。うっすらとほこりで汚れてきたと感じたら、洗面台の鏡同様に、水拭き+乾いた布で拭き上げるときれいになります。
ほこりが結構ついてしまっている場合は、ハンディーモップなどで大まかにほこりを取り除いた後、同様に掃除をするとよいでしょう。
Q.「きれいで清潔な鏡」を保つには、どうすればよいですか。
有賀さん「日頃から『鏡に汚れがついたな』と感じたら、すぐに水拭き+乾いた布で汚れと水分を取り除いてあげることが、鏡をきれいに保つコツです。特に、水が直接かかりやすいお風呂場の鏡は、毎回『スクイジー』(水分除去用のT字形の道具)で水気を取り除いてあげるだけでも随分と水あかの付着を防いで、掃除の回数を減らしてくれると思います。
鏡によっては、ガラスミラーでもくもり止めなどの加工がなされている場合もあります。『力を入れて拭く』『研磨剤を使う』など掃除の仕方によっては、コーディングされたやわらかい樹脂膜に傷がついてしまう場合もあるので、注意が必要です。
また、鏡の表面にいつまでも水分が残っていると、黒い点々の『シケ』とよばれるサビが表面にできてしまう場合もあります。お風呂場にある鏡にみられることが多いですが、水回り以外の鏡でも、ほこりをそのまま放置すると水分を寄せつけてしまい、同様にサビが発生することもあります。こうなると掃除をしても取り除くことができず、鏡を交換するしか方法がなくなってしまうので、水分は小まめに拭き取った方がよいでしょう」
(オトナンサー編集部)
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