自販機の「あったか~い」「あたたかい」、どっちの表記が多い? コカ・コーラ&キリン&サントリーに直撃
自動販売機で「あったか~い/つめた~い」と表記する理由について、飲料メーカー3社に聞きました。

11月中旬以降、朝晩を中心に急に冷え込むようになりました。出勤時に自動販売機やコンビニエンスストアなどで温かい飲料を購入したいと感じるようになった人は、多いのではないでしょうか。
ところで、自販機を見ると、値札の近くに「あたたかい/つめたい」と表記されていることもあれば、「あったか~い/つめた~い」と表記されていることもあります。なぜ「あったか~い/つめた~い」と、「~」を表記するのでしょうか。現在、どのような表記が主流なのでしょうか。
コカ・コーラ ボトラーズジャパン(東京都港区)、キリンビバレッジ(東京都中野区)、サントリーグループの担当者にそれぞれ聞きました。
情緒的な印象の「あったか~い/つめた~い」に統一
コカ・コーラ ボトラーズジャパン広報部の担当者によると、コカ・コーラの自販機は1999年まで、「あたたかい/つめたい」「あたたかーい/つめたーい」「あったか~い/つめた~い」など、複数の表記が混在している状態だったということです。
担当者はその理由について、自販機の飲料の冷温に関する表記が業界内で統一されていない点のほか、複数の企業がコカ・コーラの自販機を製造しており、企業ごとに表記が異なる点を挙げました。
その後の取り組みについて、「お客さまに冷温の種類をより効果的にアピールするために、当社は2000年、最も多く使われていて、なおかつ他の表記よりも情緒的な印象がある『あったか~い/つめた~い』の表記に統一しました」と、明かしてくれました。
現在、同社の自販機は、一部の古い機種のほか、値段を電光掲示板で表示する、いわゆる「デジタルプライスタグ」を導入している機種を除き、すべて「あったか~い/つめた~い」と表記されているとのことです。
キリンは「あったか~い」「つめた~い」の表記を多く採用
キリンビバレッジ営業部戦略推進担当主務の深澤哲也さんは、自販機メーカーや飲料メーカーによって、「あたたかい/つめたい」「あったか~い/つめた~い」など、飲料の冷温の表記が異なると説明。
施設内や屋外に設置されている同社の自販機を見ると、「あたたかい/つめたい」「あったか~い/つめた~い」の表記が混在しているのを見掛けることがありますが、深澤さんに聞くと「複数の表記を混在させている理由は特にありません」と返答しました。
一方で、「『~』を表記すると、お客さまに与える印象が柔らかくなるため、当社が展開している自販機の場合、『あったか~い/つめた~い』と表記しているケースが多いです」と、教えてくれました。
文字数が多い方が分かりやすい?
サントリーグループの担当者は、冷温表記について、「自販機メーカーの業界団体である『日本自動販売システム機械工業会』のガイドラインでは、『あたたかい/つめたい』『あったか~い/つめた~い』の2通りの表記の使用が想定されており、飲料メーカーが最終的にどの表記を採用するのかを判断します」と述べました。
現在、自販機で「あたたかい/つめたい」と「あったか~い/つめた~い」のどちらの表記を多く採用しているのかを聞くと、「設置台数ベースでの集計実績がないため、把握していません」と返答。
ただ、自販機の冷温の表示部分は横長で、スペースがある程度確保されているため、飲料業界では「表現上、文字数が多い方が分かりやすくて良い」といわれているとのことです。
そのため、担当者は、「COLD→つめたい→つめた~い」「HOT→あたたかい→あったか~い」といった形で、時代とともに異なる表記が登場するようになったのは、文字数を増やすためだったのではないかと指摘しています。
皆さんは、「あたたかい/つめたい」と「あったか~い/つめた~い」のどちらの表記が好みでしょうか。今後、自販機で飲料を買う際は、冷温の表記に注目してみると、これまでとは違った印象を受けるかもしれません。
(オトナンサー編集部)
【画像で丸わかり!】「あったか~い」ではなく「あたたかい」「あたたか~い」と表示するケースも 飲料メーカー3社の「自販機」を見比べてみた!
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