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「私は奴隷」と悩む親も…自閉症児を育てた母が、わが子の「こだわり」に応じ続けた理由

応じることで「こだわり」を緩める

 さて、定型発達の子どもがわがままを言ったとき、それに応じてばかりいると、確かにわがままを助長することになります。けれども、自閉症児のこだわりへの対応は、私はそれとは違うのではないかと思っています。

 自閉症の人にとって「こだわり」は、それがないと不安で仕方がない、絶対に譲れないもの。でも、全てが通るわけではない世の中です。どんなに嫌でも、思い通りにならないことがたくさんあります。だからこそ、こだわりを受け入れられてこそ安心し、次第にこだわりを緩めていくことができるのではないかと思っています。

 ただ、そうはいかずに受け入れられないこともあるので、そのときは断るしかありません。以前、ピンク色にこだわるお子さんを育てている親御さんから、「子ども本人だけでなく家族全員がピンク色の服を着ないと許さない」というこだわりにどう対応したらよいか、という質問を頂いたことがあります。家族全員が、ずっとピンク色の服を着ているなんて無理ですよね。

 こだわりに応じてやらないことで、こだわらなくなることもあるかもしれませんが、こだわりに応じてやることにより、安心・安全が確保されれば、自分のこだわりを緩めることもできるような気が、私はしています。

 食べ物も、「好き嫌いなく食べるように」としつけられて、何でも食べられるようになる子もいますが、嫌いな物を食べるよう強要されたことで、成長してからもずっと嫌いなままになってしまう子もいます。

 正解は「?」ですが、私は今後も、こだわりには応じてやろうと思います。それでも通らない経験は多く、現在もしていますから、それでいいのだと思っています。人に迷惑をかけないことであれば、応じてあげてもいいのではないでしょうか。皆さんはどう思いますか。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)、Voicy(https://voicy.jp/channel/4272)。

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