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暑い日は要注意! 塩分不足で熱中症リスク増大 減塩はNG? 医師が解説

塩分が不足すると、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。医師に聞きました。

塩分不足でどんなリスク?
塩分不足でどんなリスク?

 8月が間もなく終わりますが、気温が30度を超える日が多く、依然として厳しい暑さが続いています。塩分を過剰に摂取すると、高血圧症などの発症リスクが高まると言われており、食事の際に塩分の摂取を控える人もいるようです。一方、汗をかくと体から塩分が失われるため、適度な塩分摂取が推奨されています。

 そもそも、塩分にはどのような役割があるのでしょうか。体内で塩分が不足した場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

筋肉のけいれんが生じる可能性

Q.そもそも、塩分は体でどのような役割を果たすのでしょうか。

市原さん「食塩の成分である『ナトリウム』は、筋肉や神経などの働きを調整します。例えば、『体内の水分量の調整』や『細胞外液量の維持』のほか、『血圧維持』『神経の情報伝達』『筋肉の収縮』『小腸での栄養吸収促進』『血液のpH(ペーハー)維持』などの働きがあります。

厚生労働省は、食塩の1日の摂取目標量について、男性は7.5グラム未満、女性は6.5グラム未満とそれぞれ設定しています。ナトリウムは汗と一緒に排出されるため、夏は塩分が不足しやすい時期と言えます」

Q.では、塩分が不足すると、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。

市原さん「塩分が不足すると、脱水を引き起こし、血圧低下や吐き気、頭痛、筋肉のけいれんなどの症状が生じる可能性があります。そのため、夏に塩分が不足した場合、熱中症のリスクを上げます」

Q.塩分の過剰摂取が問題視されており、減塩に取り組む人もいるようです。夏に減塩に取り組んだ場合、塩分が不足する恐れはないのでしょうか。

市原さん「朝食、昼食、夕食を毎日欠かさずに食べていれば、減塩に取り組んだとしても、基本的に塩分が不足することはありません」

(オトナンサー編集部)

【画像で丸わかり!】過剰摂取はよくないけど…体に必要不可欠な“塩分”の役割を一挙公開!

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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