「ベランダが汚い!」と感じたときにチェック&掃除するべき“5つの場所”とは? 掃除のプロに聞いた
小まめに掃除をしていても、「また汚れてきた…」といったことが短いスパンで起こりがちな「ベランダ」。きれいなベランダを保つコツを、掃除のプロが教えます。
小まめに掃除をしていても、すぐに汚れてしまう「ベランダ」。外気にさらされていることなどから、どうしてもほこりや砂がたまりやすいため、「また汚れてきた…」といったことが短いスパンで起こりがちです。きれいなベランダを保つには、どこをどのようにチェックし、掃除すればいいのでしょうか。ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。
「いきなり水拭き」はNG
Q.そもそも、なぜベランダは汚れやすいのですか。
有賀さん「ベランダは屋外に設置されているので、雨風にさらされて汚れやすい場所の一つです。ベランダが汚れる主な原因は、雨風でベランダに運ばれてきた土ぼこりや砂、花粉、黄砂、落ち葉、ゴミ、虫の死骸などです。
また、ベランダの使用用途によっても汚れはさらにプラスされます。洗濯物をベランダに干しているのであれば、衣類から出る糸くずや髪の毛などが、ガーデニングをしているのであれば、育てている植物の枯れ葉や土汚れもみられるでしょう。
その他、立地によって、交通量が多い場所の近くであれば排気ガスなどの黒いスス汚れがつくこともあります。時には野鳥がやってきて、羽やフンを落とすこともありますし、人があまり出入りしない場合はハトが巣を作ってしまう…というケースもあります。
日当たりが悪く、雨水がたまりやすいベランダには、緑色のコケやカビが生えていることもありますし、ベランダの構造上壁面で囲まれていると、その壁面についた雨だれの跡に黒い筋汚れが目立つこともあります」
Q.「ベランダが汚い!」と感じたとき、チェックしたり掃除したりすることが推奨される場所はどこでしょうか。
有賀さん「ベランダの汚れは、洗剤を使わなくてもきれいにすることができるケースが多いです。掃除の手順は、ある程度大きなゴミや土ぼこりといった汚れをほうきなどで取り除いた後に、水を使って掃除をするのが基本です。いきなり水拭きを始めると、小石などが雑巾について、それが原因でベランダが傷つくことがある他、水をまいて掃除を始めると土ぼこりなどがドロドロになって、逆に掃除の手間がかかってしまいます。
ベランダを掃除する際は、次の5カ所を重点的にチェックすることをお勧めします」
【床】
一番汚れやすい場所で、先述した通り、土ぼこりやゴミなどがたまりやすくなります。普段はゴミを取り除く「掃き掃除」程度でよいですが、汚れがひどい場合は、水をまいて汚れを緩ませてからデッキブラシなどでこすり、水で流していきます。
コケが生えている場合は、軽い場合はそのままブラシでこすれば落ちますが、面積が広い場合はコケ除去剤を使うのも一案です。カビは、カビ取り剤を使用しましょう。
また、もともとのベランダ床面にウッドパネルなどを敷いている場合は、年に1度程度はパネルを剥がして床面を掃除できると理想的です。
【排水口・排水溝】
排水口に大きなゴミや髪の毛、落ち葉などがたまっていると、台風や豪雨の際にベランダが水浸しになってしまう上、さらに汚れる原因にもなります。定期的にチェックして、詰まりがないように落ち葉やゴミ、土ぼこりなどを取り除きましょう。排水溝も同様です。
【手すり】
緩く絞った雑巾で拭き掃除をします。鳥のフンがついている場合は、病原菌などのリスクから身を守るために、使い捨てのビニール手袋をして作業しましょう。乾燥してしまっている場合は、軽く絞ったキッチンペーパーなどをフンの上にしばらく置き、汚れを緩めてから拭き取ります。除菌剤などを使って拭くとさらによいでしょう。
【室外機】
天板や室外機周りの鉄板のほこり、汚れを払い、周りを水拭きします。天板がきれいになっているだけでもスッキリ感が違います。裏側の熱交換用のアルミフィンの部分は、ものをぶつけたり力を入れてこすったりすると変形の原因になるので、取り扱いに注意してください。
【ベランダの壁面】
黒い雨だれ跡は、水でぬらしながらスポンジやブラシでこすると、きれいに落ちる場合がほとんどです。汚れが落ちにくい場合は、水をまいてしばらく置き、汚れを緩めてからこすったり、少量の中性洗剤を使って洗ったりしてください。
Q.できるだけ「きれいなベランダ」を維持するには、どうすればよいですか。
有賀さん「きれいな状態を維持するには、定期的に履き掃除をするのが一番です。大きなゴミや土ぼこりを掃いて取り除くだけでも、“きれい”をキープしやすいでしょう。特に、雨や台風といった悪天候前には、排水溝(口)のゴミを取り除いておきたいところです。
また、水を流してしっかり掃除をする場合は、周辺の状況なども確認してから作業を行いましょう。一戸建てであればあまり気にすることがなくても、マンションなどの集合住宅の場合は特に注意が必要です。ベランダに水を流して大丈夫なのか、事前に管理規約などを確認しておきましょう。ベランダがお隣とつながっている場合や、下の階に迷惑がかかる場合などで水を流せない場合は、雑巾やモップを使って水拭きしましょう。
また、ベランダにハトなどの鳥が巣を作ってしまった場合は、掃除が大変になるだけではなく、鳥獣保護法に抵触するため、自分で巣を撤去することができない場合があります。専門業者に撤去を依頼するしか方法がなくなるので、巣を作られる前の早めの対策が必要になります」
(オトナンサー編集部)
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