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“子連れで結婚式”めぐり「遠慮すべき」「年齢による」などの声 出席OK? 必要なマナーは?

人生の大きな節目となるお祝い事の一つ「結婚式」ですが、子ども連れで出席することについて、ネット上にはさまざまな声が上がっています。マナー講師に聞きました。

子どもと結婚式に出席する際のマナーとは?
子どもと結婚式に出席する際のマナーとは?

「結婚式」に招待された時、子どもがいる人は「連れて行ってもよいのか」と迷うことも多いのではないでしょうか。最近は、結婚式のスタイルが多様化し、子どもと一緒に招待されるケースも多いようですが、出席時のマナーや振る舞い方、持ち物、周囲の反応などが気になるものです。

 ネット上では「迷惑かけそうだから連れて行きません」「近い親戚以外の結婚式は遠慮すべきでは?」「子どもも含めて招待されていればいい」「年齢による」など、さまざまな声が上がっています。

 子ども連れで結婚式に出席する場合、気を付けるべきマナーとはどのようなものでしょうか。「マナーは互いをプラスにするもの」をモットーに、国内外の企業や大学などで人財育成教育やマナーコンサルティングを行うほか、NHK大河ドラマなどのドラマや映画で俳優や女優へのマナー指導を行い、5月19日に新刊「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)を出版したマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに聞きました。

「ぜひ一緒に」→喜んで受ける

Q.そもそも、マナー的観点から見て、結婚式に子ども連れで出席してもよいのでしょうか。

西出さん「それは、招待側との関係性によっても変わってきます。主催側から『お子様も一緒に』と招待されているのであれば、基本的なマナーや振る舞いを守った上で、一緒に出席するのが望ましいでしょう。

親しい友人の結婚式であっても『子どもを連れて行くことで迷惑をかけるかもしれない』と思う方も少なくないかもしれませんが、新郎新婦側から『ぜひ親子で参加を』と招待されているのであれば、喜んで受けるべきです。新郎新婦と小さな子の触れ合うシーンは、その場の幸せな気分を倍増させてくれますし、お子様にとっても幼少期の良い思い出となるでしょう」

Q.子ども連れでの出席を控えるべきケースはありますか。

西出さん「仕事関係者の場合、遠慮するのが基本です。もちろん、仕事関係者であっても、『一緒にどうぞ』と言われていれば一緒に出席してもオーケーです。

プライベートな関係者の式であっても、お子様が招待されていない場合は、基本的に、一緒に出席することはしません。ただ、親子で招待を受けてはいないものの、さまざまな事情で子どもを連れて行かなければならない場合もあるかもしれません。諸事情があって一緒に参加せざるを得ない場合や、親子で招待されていても一緒に出席することを迷う場合などは、その旨を素直に招待側に相談し、参加する、しないも含め決定するのがベストです。

それが難しい間柄であれば、自分一人で出席する方が無難でしょう。その場合、お子様を預けることができない方であれば、やむを得ない事情ということで、出席を遠慮しなければならないこともあるかもしれません。また、乳児は、いつ泣き出すかわかりにくい点や健康面などを考慮し、大勢の人がいる空間に連れて行くのは控えた方がよい場合もあります」

Q.ご祝儀マナーについて教えてください。

西出さん「子どもと出席する場合、ご祝儀の金額を倍にする必要はありません。例えば、ご祝儀の相場は1人3万円と言われていますが、夫婦で出席する時は、夫婦で5万円を包むのが一般的です。この考えから、お子様の料理が大人と同じものであれば、1~2万円を目安にプラスして包めばよいでしょう。お子様メニューの場合は、5000円~1万円程度と考えます。

ただし、子どもの分として5000円札を包むことはせず、金額の合計は万単位で贈る方がよいでしょう。端数分や、お食事をしない場合(乳児など)は、現金ではなく、お祝いの品として贈ると気持ちが伝わります。

また、トータルで4や9のつく金額にしないことや割り切れる偶数にしないなどの配慮も必要です。ただし近年では、8は“末広がり”という意味に捉えてよしとする傾向もありますし、2万円の場合は、1万円札を1枚と5000円札を2枚、計3枚の紙幣を入れて紙幣の数を奇数にすればよいという考え方もあります。これらは、時代の考え方や招待側との関係性に応じて、変化するものです」

Q.服装についてはどうでしょうか。

西出さん「フォーマルな場に参加する以上、子どもであっても『場にふさわしい服装』を心がけていただきたいと思います。結婚式に招待された時の服装は、お祝いの気持ちを表すのがマナーですから、服装はカジュアルになりすぎないようにします。男の子なら白いシャツに紺のズボンという清潔感と安心感のある色でまとめ、蝶ネクタイを着けると特別感が増します。女の子ならワンピースやフリルのついたスカートなど、華やかな服装を選ぶとよいですね。靴は服装に合うもので、汚れていないものにするとよいでしょう。

慶(よろこ)びの気持ちを表すために、『おめかし』を意識した服装で、普段と違う特別な機会を体験させてあげてはいかがでしょうか」

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと2000年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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