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“タトゥーOK”の温泉施設を探せるサイトオープン 運営者が込めた思いとは?

外国人観光客の増加により、入浴施設における、入れ墨やタトゥーを入れた人への対応が注目されています。そんな中、入れ墨の人も入浴可能な温泉施設などを紹介するサイトが開設されました。

「Tattoo Friendly」のホームページ
「Tattoo Friendly」のホームページ

 外国人観光客の増加により、入浴施設における、入れ墨やタトゥーを入れた人への対応が注目されています。そんな中、入れ墨の人も入浴可能な温泉施設などを紹介するサイトが開設されました。以前から賛否両論のあるテーマですが、なぜサイトを開設したのでしょうか。サイトの運営者に話を聞きました。

多様化する旅の魅力を紹介

 タトゥーのある人も利用できる施設を紹介するサイト「Tattoo Friendly(タトゥーフレンドリー)」を開設したのは、フリー編集者・ライターの川崎美穂さんです。1999年から2012年まで、国内外のタトゥーカルチャーを専門に紹介する雑誌「TATTOO BURST(タトゥーバースト)」の編集長を務めていました。

 サイトは温泉施設を中心に、銭湯やホテル、旅館など全国618カ所(6月5日現在)を紹介。日本語と英語に対応しています。入れ墨やタトゥーをした人の利用条件については「規制なし」「カバーをすれば利用可能」「海外観光客のみ容認」などから検索できます。施設の写真もあり、特色を分かりやすく説明しています。

Q.なぜこのサイトを開設したのですか。

川崎さん「適切な情報を提供したいと始めました。特に外国人観光客は、訪問先の宿泊施設や温泉施設で初めて、タトゥーがあるために入浴できないことを知るケースが多いのです。日本にまで来て、現地でそれを知るのは酷です。あらかじめ入浴できないと分かっていたら避けられるトラブルですし、他に選択肢があることが分かれば、わざわざ禁止の場所に足を運ぶこともなくなります。また、若い人にはファッションとしてタトゥーをしている人も増えています。

レジャー産業も多様化している今、ペットと泊まれる宿、車いすでも入れる温泉など、各施設はさまざまなニーズに対応すべく新しいことに取り組んでいます。そうしたことと同列にタトゥーへの対応が含まれると思います。多様化した中から、適切な場所を素早く検索できるのが21世紀の旅の形ではないでしょうか。

すべての入浴施設が入れ墨やタトゥーを断っているわけではなく、OKのところと、そうではないところがある。それを大前提として情報を提供することで、入浴施設側と利用者側が円滑にコミュニケーションを図れることが重要だと考えました」

Q.入浴可能な温泉施設には、どんなところがありますか。

川崎さん「ホテルや旅館の中には、貸し切り風呂や露天温泉付き客室を提供するところが増えています。ゲストハウスに源泉かけ流しの温泉があったり、世界遺産に登録された温泉があったり、利用できる温泉は多種多様なので、自分と相性の良い源泉を発見してほしいです。入れるか、入れないかで悩んでいるのはもったいない。その先にある、温泉の真の魅力に気づいてほしいと思います」

Q.日本では入れ墨やタトゥーに対する偏見もありますが。

川崎さん「確かに、入れ墨やタトゥーというと眉をひそめる人もいらっしゃいますし、悪い印象を持つ人はいつの時代にも必ずいます。私はタトゥーに対する賛否を問いたいとは思いませんし、すべての温泉施設がタトゥー保持者の入浴を許可する必要はないと思います。禁止のところは今まで通り禁止のままで、ドメスティックなサービスを提供していくべきだと思います。

ただ、実際に入浴施設の人に話を聞いてみると、入浴マナーを知らない人が増えたことが悩みだとの声が多く寄せられました。外国人観光客の中には人前で全裸になるのが恥ずかしいからと、タオルを浴槽に持ち込んでしまうケースもよくあります。入れ墨やタトゥーの有無以前に、必要最低限のマナーを知ってもらうことが大切だと実感しています」

Q.今後、取り組んでいきたいことは。

川崎さん「現在、サイトに掲載しているのはごく一部なので、掲載件数をコンスタントに増やしていきたいです。日本には温泉地が3000カ所以上、温泉施設が2万カ所以上あります。何より、温泉には一つとして同じお湯はなく、天候や季節、環境によっても変化します。旅と同じく温泉もまた一期一会なのです。『タトゥーOK』の確認だけではなく、それぞれの魅力や楽しみ方も伝えていけたらうれしいです」

 川崎さんのサイトでは、温泉のほかに銭湯なども紹介していますが、41都道府県の銭湯が加盟する「全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会」によると、入れ墨やタトゥーを理由に入浴を断ることはないとのこと。その理由は「入浴を禁止する法律や規則がなく、昔から入れ墨の人も入っていたから」。日帰り温泉やスーパー銭湯の事業者で作る「一般社団法人温浴振興協会」は「禁止するルールはないが、自主規制している施設が多い」としています。

(報道チーム)

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