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離婚した「元配偶者」と再婚したい…法的に知っておいた方がよい“4つの注意点”

少なからず存在する、「離婚した元配偶者と再婚」するケース。元配偶者と復縁し、再び結婚する場合の“法的な注意点”について、弁護士が解説します。

「元配偶者」と再婚…どんな注意点がある?
「元配偶者」と再婚…どんな注意点がある?

 夫婦の「3組に1組」が離婚するといわれる昨今。離婚後に再婚する人、独身のままでいる人などさまざまですが、中には「離婚した元配偶者と再婚する」ケースもあります。元配偶者とよりを戻して再婚する場合、別の人と再婚するケースとは異なる“法的な注意点”はあるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

前回の離婚歴は「抹消されない」けれど…

Q.離婚した元配偶者と再婚する場合、どのようなことに注意する必要がありますか。

牧野さん「元配偶者と再婚する場合、法的な観点から注意した方がよいのは次の4点です」

【再婚禁止期間】

再婚相手が元配偶者の場合には、女性のみに適用される「再婚禁止期間」(民法733条1項)が適用されません。通常は、離婚後に出生した子どもの父親を確定するため、女性は100日、再婚を待たなければならない規定となっています。

なお、2022年12月10日に成立し、同月16日に公布された「民法等の一部を改正する法律」には、「女性の再婚禁止期間の廃止」が盛り込まれています。改正法は、現在まだ施行されていませんが、施行後は「再婚禁止期間」が廃止されます。公布日である2022年12月16日から起算して、1年6カ月を超えない範囲内(2024年5月15日まで)の政令で定める日から施行される予定です。

【離婚歴】

離婚した同じ相手と再婚したからといって、前回の離婚歴が抹消されることはありません。ただし、本籍地を変更(転籍)することによって、除籍の記載を引き継がないことは可能です。転籍届を本籍地(または転籍地、住所地も可)に提出することによって、新たな本籍地で新たな戸籍がつくられると、従前の戸籍にあった「離婚」の記載は新戸籍に引き継がれません。

【姓の選択】

再婚をする場合には、最初の婚姻と同様に、夫または妻のどちらか一方の姓に改めなければなりません。

【子どもがいる場合】

同じ人と再婚した場合の子どもの戸籍については、離婚時に子どもの戸籍に変更があったかどうかによって扱いが異なってきます。

離婚後も子どもの戸籍が父親のもとに残っており、再婚して母親が父親の戸籍に入るのであれば、特別な手続きは不要です。

一方、離婚後に子どもの戸籍を母親の戸籍に移していた場合は、母親が父親の戸籍に入っても、子どもの戸籍は母親の再婚前の戸籍に残ったままとなります。この場合は「入籍届」を提出すれば、父親の戸籍に戻せます。

通常、再婚相手の子どもと親子関係を創設するには「養子縁組」の手続きが必要になりますが、同じ人と再婚をする場合には、元々あった親子関係が離婚で切れることはないので、養子縁組の手続きは不要です。

Q.その他、法的な注意点はありますか。

牧野さん「日本では、結婚や離婚の回数を制限する法律がないので、何回でも同じ相手と再婚できます。遺族年金が受給できるかどうかについては、再婚して、法律上の配偶者となり、生計維持関係であれば、問題なく遺族年金はもらえます。

ただし、例えば、離婚して生計を別々にしていた元夫が、亡くなる前に『相続財産などを元妻に残したい』と思い、急遽、再婚するケースでは、生計を共にしていないので、遺族年金がもらえるとは限りません」

(オトナンサー編集部)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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