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“半数以上が利用経験なし”調査結果も…ネットスーパーの利用が進まない理由とは?

ネットスーパーに積極的に取り組むべきか?

Q.スーパーにとって、ネットスーパーは収益が見込める事業なのでしょうか。それとも、採算が合わない事業なのでしょうか。今後、積極的に取り組むべき事業かどうかも含めて、教えてください。

江田さん「結論から言うと、スーパーは、ネットスーパー事業に積極的に取り組むべきだと考えています。近年、イオンや楽天のような大手企業が、積極的に投資をしている分野だからです。

今後、少子高齢化による人口の減少は避けられず、各社が少ないパイを奪い合うような状況が予想されます。すでにネットでの購買がトレンドである以上、ネットスーパーに進出しなければ自社の販売シェアを減らす結果になってしまいます。

収益という観点では、配送ドライバーを効率よく働かせることができるかが非常に重要な要素になります。配送ドライバーの人件費を時給1500円程度と想定した場合、1件の配送料が300円の場合は1時間当たり5件以上、500円の場合は1時間当たり3件以上の配達が必要となります。そのため、他の配送ビジネスと同様に配送密度(一定面積当たりの配送件数)が非常に重要な要素となります。

また、最近では、飲食宅配代行サービス『Uber Eats(ウーバーイーツ)』が会員制スーパー『コストコ』の商品を配送するなど、他サービスと連携するケースも増えています」

Q.スーパーがネットスーパー事業で生き残るには、どのような戦略が求められるのでしょうか。

江田さん「あくまでも個人的な見解ですが、競合相手が他のネットスーパーだけでなく、フードデリバリーサービスや食材宅配サービスなど多岐にわたることを認識した上で、商品ラインアップや事業展開を考えていくことが非常に重要になってきます。

先述のように、ネットスーパーは、実店舗にある商品を配送するサービスなので、どうしても商品が欠品になってしまう場合があります。ネットスーパーによって対応は異なりますが、欠品の場合、『キャンセル扱い』にしたり、代替品を提供したりするのが一般的です。これは、消費者にとって非常に大きなストレスとなっています。

運用が非常に難しいと言われていますが、ネットスーパーの在庫と実店舗の在庫をリアルタイムで連動させ、『欠品』を削減できれば、利便性は大きく改善されます。また、ネットスーパーで実店舗と連動した値引き販売ができるようになれば、実店舗と同様の『お得感』を演出できると考えます」

(オトナンサー編集部)

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江田泰高(えだ・やすたか)

ビジネス演出家、実業家

ビジネス演出家「エダコDX」として常に挑戦を続ける起業家。敏腕コンサルとして、世界を駆け巡っている。戦略アドバイザーとして複数のベンチャー企業に参画し、コーチングアプリ「クレドル」をプロデュース。ラジオ番組のメインパーソナリティーも務める。アトワジャパン CBP(Chief Business Producer)。アトワジャパン(https://www.atowa-japan.com)、個人ホームページ(https://www.edacodx.com/)。

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