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会社の「忘年会」、参加するメリット/デメリットは? コロナ禍でのあり方とは…

コロナ禍での会社の「忘年会」はどうあるべきで、社員が参加するメリット/デメリットは何なのでしょうか。経営コンサルタントに聞きました。

会社の忘年会、開く意味は?
会社の忘年会、開く意味は?

 新型コロナウイルスの国内での感染が落ち着いている一方、オミクロン株の流行が懸念される状況ですが、忘年会シーズンとなりました。多数派ではないものの、今年は忘年会をするという会社もあるようですが、「飲みニケーションは不要」と考える人が増えたという調査結果が出るなど、特に若手社員の飲み会離れは進んでいるようです。

 コロナ禍での会社の忘年会はどうあるべきなのでしょうか。また、社員が参加するメリット/デメリットは何なのでしょうか。経営コンサルティング、総合人材サービスなどを行う企業、アトワジャパン(千葉県習志野市)CEO(最高経営責任者)で、経営コンサルタントの江田泰高さんに聞きました。

「目的意識の共有」などに効果

Q.そもそも、会社の忘年会とは何のために存在するのでしょうか。コロナ禍であることも踏まえて、教えてください。

江田さん「企業の管理職の目線でお答えすると、忘年会は『目的意識の共有』『チームメンバーのエンゲージメント強化』のために重要だと思います。チームとしての成果を共有することで、モチベーション向上、コミュニケーションによるチーム連携強化や離職率の低下を実現することができます。

コロナ禍で実施が難しい場合は別の手段で『目的意識の共有』『チームメンバーのエンゲージメント強化』を行う必要があります。例えば、オンラインでの成果発表や全社会議での表彰などが効果的です。チームメンバーの日頃の成果を他のチームメンバーの前でフォーマルに称賛しましょう」

Q.会社、もしくは部署で忘年会を開催するとして、新型コロナを気にする人がいる場合、どのように対応すべきでしょうか。

江田さん「参加に関しては個人の自主性を重視すべきです。参加を強制することは組織に対するネガティブな印象につながってしまいます。その結果、離職やモチベーションの低下を招く恐れがあります。これでは、忘年会が持つ本来の目的と正反対になってしまいます。経営者、管理職として、人数を限定して、会場を分けるなどの配慮も必要です。

その他、Zoomなどのシステムを使用したリモート忘年会を検討するのもよいかもしれません。本来の忘年会の目的である、目的意識の共有とチームメンバーのエンゲージメント強化を達成するために、特に管理職は『忘年会が日頃の感謝を伝える場』であるという意識を持って、チームメンバーとのコミュニケーションに努めることが必要です」

Q.では、社員が忘年会に参加するメリット/デメリットを教えてください。

江田さん「参加するチームメンバー(社員)の目線でお答えします。

【メリット】

他のチームメンバーとのコミュニケーションを通じた関係構築ができるのが最も大きなメリットです。特に新型コロナ流行以降、飲み会の機会が以前と比べて減っています。普段、仕事を一緒にしているメンバー以外に、他の部署で働く人たちともコミュニケーションをとるチャンスが忘年会にはあります。しっかりとコミュニケーションがとれていれば、新しいプロジェクトや、チームに欠員が出た際、声を掛けてもらえる可能性が高まります。

【デメリット】

忘年会は仕事の延長です。そのため、友人との会食と比べるとストレスがたまると思います。特に負担になるのは2次会です。通常、忘年会の費用は企業が負担することが多いですが、2次会は自己負担の場合がほとんどです。2次会に参加しないと『付き合いが悪いと思われないか』と気にする人も多いと思いますが、最初から、『2次会に参加しない宣言』をしておくなどして、回避できるよう誘導することもできます。

特に管理職の人は2次会には参加しないよう、私は推奨しています。管理職が率先して2次会を行うと、他のチームメンバーに『参加しないとダメかなあ…』といったプレッシャーを与えてしまいます。どうしても行く場合、いったん解散した後に少人数で行くなど配慮しましょう」

Q.では、忘年会に参加しないメリット/デメリットを教えてください。

江田さん「こちらもチームメンバー目線でお話しします。

【メリット】

忘年会は仕事の延長と申し上げました。しかし、通常の仕事よりも比較的プライベートに近い環境です。特に大きい企業では、この機会に自身の派閥に取り込もうとする社内政治的な動きに直面することも少なくありません。特定の上司に対する愚痴や悪口を聞かされるかもしれません。その場にいるだけで“敵認定”されてしまう可能性もあります。このような派閥がある場合は、関わらないために欠席するのも有効な手段の一つです。

【デメリット】

忘年会に参加しないということは、チームメンバーとの関係構築の機会を1回逃したことになります。関係性のない部署との接点はあまり訪れません。忘年会などの社内行事を逃した場合は自分から自主的に、その接点を確保するために動く必要があります。逆に言えば、通常時に接点確保ができるのであれば、忘年会参加にこだわる必要はありません」

Q.「同居家族に高齢者がいるので忘年会参加を避けたい」など、やむを得ない理由で参加を断りたいものの、水を差したくない場合、当たり障りのない断り方があれば、教えてください。

江田さん「新型コロナウイルス拡散を防止することは社会的に非常に重要です。差し障りない断り方の例としては『家族が体調を崩しているので、大事をとって欠席させてください』などと伝えるとよいと思います。体調が悪い=コロナの可能性がある、または看病のために欠席すると伝えるのは、納得感を与えることのできる断り方だと思います。

一方で、正直に『高齢者がいるので参加を見合わせたい』というのは避けた方が無難です。こちらは受け取り側の価値観によっては、納得してもらえない場合があります。なるべく、誰からも共感される答え方を心掛けましょう」

(オトナンサー編集部)

江田泰高(えだ・やすたか)

経営コンサルタント、アトワジャパンCEO

慶応義塾大学経済学部卒業後、大手物流会社に入社し、倉庫運営、輸出入等の実務を経験。その後、外資系コンサルティング会社で、サプライチェーンマネジメント(SCM)を中心に幅広いプロジェクトに従事。コンサルタントとしての経験を生かし、大手IT企業の新規事業立ち上げや複数の外資系メーカー部門長を歴任。自身の転職経験と部門責任者としての豊富な採用経験を踏まえて、経営コンサルティング、コーチングアプリ「クレドル」の企画・開発、人材育成、有料人材紹介を行う企業「アトワジャパン」を千葉県習志野市で設立。プロジェクトマネジャーとして、国内外の大手企業のSCM再編プロジェクトに従事し、戦略アドバイザーとして複数のベンチャー企業に参画。2021年11月にアトワジャパンCEO(最高経営責任者)に就任。アトワジャパン(https://atowajapan.jp/)個人ホームページ(https://www.change-management-eda.com/)。

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