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“クソみたいな忠告”していない? ママ友からの「ためにならない育児アドバイス」7選

シングルマザーのために「父の日廃止」?

【「自閉症だったら、何か秀でた才能があるでしょ。将来の仕事につながるかも」】

視覚障害があるピアニスト、天才的な絵の才能を持つ自閉症の人…。華々しい活躍ができるほんの一握りの人を指して、「全員そうなる可能性がある」と思われている風潮があります。

でも、全員がそうではありません。「自閉症で、記憶力があるから」と、「何かで大成する」「将来はそれで食べていける」と決め付けないでくださいね。そして今、目の前にいる子どもを育てることだけで大変なのに、「将来の職業のことも今から考えなくてはならないのか」と思うようなことを言われるのは、障害児を持つ親にとっては苦しいことなのです。

【「父の日廃止」を園に提案】

ママ友が、シングルマザーの私のために「父の日廃止」を園に提案してくれたことがあります。しかし園には、シングルファーザーもいますし、祖父母のいない子どももいます。「『母の日』も『敬老の日』もなくした方がいい」「リストラされているパパもいるから、『勤労感謝の日』もやめよう」となってしまうのでしょうか。

子どもにとっては、「うちにはパパがいない」「うちにはママがいない」「祖父母は既に天国にいる」という現実は変わらないわけです。それに、子どもは毎日その環境で育っているので、「うちにはママがいない」「ママが1人で僕を育ててくれている」と、ちゃんと理解していると思います。

シングルのママとしても、腫れ物に触るように扱われているようで、かえって窮屈に思うこともあるでしょう。賛否ありますが、行き過ぎた配慮だと私は感じています。

【「やんちゃなのも個性の一つよ」】

スーパーに行くと、カートを押して猛ダッシュしたり、その辺の商品を触りまくったりするわが子…。実は発達障害の一つ「注意欠陥多動性障害(ADHD)」と診断されています。でも、「やんちゃなのも個性の一つよ。うちの子なんかおとなしいから、うらやましいな」と言われてしまいました。ママ友にカミングアウトしていなかった自分もいけないんですけどね。

 以上、ママ友からの「ためにならないアドバイス」でした。日常のコミュニケーションの中で、こうしたことを無意識に言っていないか、ぜひ考えてみてください。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症スペクトラム支援士。著書は「1人でできる子が育つ『テキトー母さん』のすすめ」(日本実業出版社)、「はずれ先生にあたったとき読む本」(青春出版社)、「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」(すばる舎)、「動画でおぼえちゃうドリル 笑えるひらがな」(小学館)など多数。日本医学ジャーナリスト協会賞(2019年度)で大賞を受賞したノンフィクション作品「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(中央公論新社、小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

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