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うつの人の“死にたい”は“からあげ食べたい”に近い 感覚のギャップ描いた漫画が「わかる」

うつの人が感じる「死にたい」と、そうではない人の「死にたい」には違いがあることを描いた漫画が話題に。SNS上では「めちゃくちゃわかる」「同じ方がいたとは」と共感の輪が広がっています。

「『死にたい』覚感のギャップ」の1カット=せるこ(@seruko)さん提供
「『死にたい』覚感のギャップ」の1カット=せるこ(@seruko)さん提供

 うつの人が感じる「死にたい」と、そうではない人が感じる「死にたい」のギャップをテーマにした漫画がSNS上で話題となっています。「死」が近付く感覚を詳細に描いており「めちゃくちゃわかる」「まさに思いつきで死のうみたいな感覚」「人間やめたいなってたまに思うのでびっくり」「同じ方がいたとは」などと共感する声が上がっています。漫画の作者に話を聞きました。

うつに苦しんだ経験を題材に

「『死にたい』覚感のギャップ」という全3ページの漫画には、猫のようなキャラクターの主人公が登場し「今はもうめちゃ元気だけど」「数年前 うつの真っ只中にいたときは(会社は行ってた)『あっ…死にたいな…?(会社はやめたくなかった)』とよく思ってた」と回想します。

 そして「自分の『死にたい感覚』にビビる」「今死にたいって思ってた…!!?」「こあい!」とし、「でもその『死にたい感覚』はうつじゃないころに想像していたのと全くちがっていて」「なんか『死』の感覚がぐっと近付く感じだった」と振り返ります。

 以前、想像していた「自殺願望」は「つらい…先がみえない 生きてても良いことない 逃げたい 苦しい 死んだ方がマシ」でしたが、実際のうつの時期の「自死」は「『あっ、からあげ食べたいかも!(太るけど)コンビニ寄っちゃおかなー?』くらいの感覚で『ちょっとチャレンジして死んでみてもいっかな…?』って コンビニ感覚でうっかり死んじゃいそうな感じだった」とまとめます。

 2ページ目では、職場の2階の窓に寄りかかる主人公が「おっ おちたら死ぬかな?(たぶん死なない)」と考えます。「いわゆる『突発的な自殺』ってこういう感じなんかな~と理解したけど」とした上で「ヤバい 死にたくはないのよ 本来っ」「太りたくないけどからあげ食べちゃうみたいな」と焦る主人公。

「うっかりいつでも逝っちゃいそうだったので」「私の場合は自殺の場合と後処理マニュアル(どういう状態で発見され後処理ではどういう困りごとがあるか)的なものを調べることで理性(?)を保っていた」と紹介します。

「ここから落ちたらどうなるかなー」という主人公の発言に対し、知人と思われる男性が「なんでそんなにカンタンに死ぬとか言うわけ!? 気軽に言っていい言葉じゃないでしょ!!!」と激怒。「いや、そうなんだけど…」と泣く主人公ですが、知人の立場について「普通の人は死の感覚の近くにないから」「以前の私もこんなだった」と指摘。「いつでもどーぞ! 死の感覚 めっちゃいるしー」と考えます。

 その後「うつは脳のエラーだから…」「経験したことある人しかわからないと思うので『そうなん!? 気を付けて!』くらいで考えてほしいなと思います」とし、「そして『死の感覚』近くにある人はいちど心療内科いってみてもいいかも…!(ふつうは考えないらしいぞ!!)(心が疲れているかもしれんよ!!)」と締めくくります。

 3ページ目には「※今はめっちゃ元気です」とハイテンションで踊る主人公のイラストが描かれています。

2013年からネット上で作品を発表

 作者の「せるこさん」にこれまでの経歴や、今回の作品について話を聞きました。

Q.せるこさんの経歴を教えてください。

せるこさん「石川県出身の28歳です。幼少期から絵を描くことや漫画が好きでした。好きな漫画家、尊敬する漫画家はたくさんいるので挙げきれません。現在は大阪在住で、働きながら漫画を描いています」

Q.兼業しながら活動しているとのことですが、いつ漫画を描いているのですか。

せるこさん「平日の夜に3時間程度、描いています」

Q.いつから漫画を描き始めましたか。

せるこさん「2013年からインターネット上、主にツイッターで作品を発表するようになりました。本格的に意識して漫画を描き始めたのは4月からです。現在はツイッターのみで発表していますが、条件次第では雑誌などへの寄稿も引き受けます」

Q.普段はどのような内容の漫画を描きますか。

せるこさん「音楽やライブのあるあるネタ、自虐ネタなど日常ネタが多いです。読者からは『ほんわかしてる』と言っていただけます」

Q.この漫画を描いたきっかけは何だったのですか。

せるこさん「私自身が、うつで苦しんでいた際に『同じ感覚の人もいるんだ』と知って安心したことを思い出したからです。漫画にも描きましたが、当時は自分が感じた『衝動的に死にたい感覚』を周りの人に分かってもらえず、怒られたのでショックでした。衝動的に死にたい感覚について、少しでも世の中に広まれば救われる人もいるのでは、と描きました」

Q.これまで、読者からどんな意見が寄せられていますか。

せるこさん「共感の声が圧倒的に多いです。皆さん大変なようで『本当にみんなにいいことあればいいのに…』と思っています。漫画の中で、登場人物のテンションの高さに突っ込んでもらえることもあり、とてもうれしいです」

Q.今後の目標はありますか。

せるこさん「多くの人に知ってもらうことですね。少しでも『クスッ』と笑えたり、心が軽くなったりするようなイラストや漫画を描いていきたいです」

(報道チーム)

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せるこ

兼業イラストレーター

石川県出身の28歳。現在、大阪を中心に活動する。2013年からインターネット上で漫画を発表、2018年4月から本格的に漫画を描き始める。音楽系のほか、自虐ネタなどの日常をテーマとした作品をメインに手掛ける。せるこ公式ツイッター(https://twitter.com/seruko)。