サンマに付く“赤い糸”の正体は? 食べてしまったらどうなる?
サンマの内臓の辺りに赤い糸のような物が見えることがあります。この物体の正体について、水産物の消費拡大に取り組む団体に聞きました。
秋の味覚の一つである「サンマ」を、スーパーなどで見かけることが多くなりました。脂がのっていることから、塩焼きにして食べることが多いと思いますが、サンマの塩焼きを食べているときに、内臓の辺りに赤い糸のような物が見えることがあります。この赤い糸は、どのようなものなのでしょうか。もし食べた場合、どうなるのでしょうか。魚食の普及活動や水産物の消費拡大に取り組む、一般社団法人大日本水産会・魚食普及推進センター(東京都港区)の早武忠利さんに聞きました。
加熱調理していれば問題なし
Q.サンマを食べているときに、内臓の辺りに赤い糸のような物が見えることがあります。この赤い糸のような物の正体について、教えてください。
早武さん「『ラジノリンクス』と呼ばれる寄生虫で、サンマの内臓に付くことがあります。魚はエサを食べているときに、寄生虫などが体に付くことがあり、自然なことです」
Q.もしラジノリンクスが人間の体内に入った場合、どうなるのでしょうか。
早武さん「他の寄生虫全てに共通しますが、しっかり加熱調理していれば、体内に入っても影響はありません。気にせず食べてしまいましょう」
Q.サンマを塩焼きにするときは、事前に内臓を取り除くべきなのでしょうか。それとも、内臓を取り除かずにそのまま焼いて食べても問題ないのでしょうか。
早武さん「内臓は脂がのっていて、サンマの中でも一番おいしい部位です。できれば、取り除かずに焼いて食べた方がよいでしょう。むしろ個人的には『一番おいしい所を捨てるなんて信じられない』というのが本音です。また、内臓には、頭の働きを活発にすると言われる『ドコサヘキサエン酸(DHA)』や『エイコサペンタエン酸(EPA)』といった栄養素が多く含まれています。
内臓の苦みが苦手な場合も、そのまま焼いて、食べるときに内臓だけ残してもいいでしょうし、お子さまが食べる場合は、キッチンばさみでサンマの尻の穴からあごの辺りまで切って内臓を取り除いた後、水でゆすいでから塩焼きにすると食べやすいでしょう。
なお、サンマは棒受け網で獲られるときに、他のサンマのうろこを飲み込むことがあります。そのような場合は内臓にうろこが塊で入っている場合があるため、その部分は残してもいいでしょう。慣れれば塩焼き後に内臓を箸で分けている段階で、うろこの塊が見分けられるようになります」
Q.サンマを調理するときの注意点やコツについて、教えてください。
早武さん「塩焼きの場合は問題ないのですが、刺し身にするときはアニサキス(食中毒を引き起こす寄生虫)に注意する必要があります。アニサキス対策として、厚生労働省はマイナス20度で24時間以上冷凍することを推奨していますが、私は、より安心して食べられるように1週間冷凍することをお勧めしています(家庭用冷凍庫の多くがマイナス20度まで下がらないことも考慮して、家庭の場合)。ちなみに、サンマの骨やうろこの一部が青色に見える場合がありますが、これは自然なことなので心配ありません。
サンマは、アルミホイルの上で焼くのがおすすめです。調理後、アルミホイルをそのまま皿にのせれば、グリルや皿に汚れが付かず、掃除が楽で気軽に塩焼きを楽しめます! また、食べ終わった後に残った骨などは、牛乳パックに入れて冷凍すると臭いません」
(オトナンサー編集部)
サンマの赤い部分が寄生虫、くまとかでないので普通は焼いて食べるでしょう。
刺身 知らんのか?さんまの刺身 知らんのかいな