鳩よけで金沢駅上空を飛ぶ“鷹”が話題に「鼻高々。鷹だけに」「見たい」、市などに聞く
JR金沢駅前で実施されている鷹を使った「鳩」の駆除が話題に。鳩の糞害を防止する目的といいますが、どのような取り組みなのでしょうか。
JR金沢駅前で実施されている、「鷹」を使った鳩の駆除がSNS上で注目を集めています。鷹を駅周辺に飛ばすことで鳩を近づけなくさせ、糞害を防止する取り組みでSNS上では「他の駅でもやってほしい」「鼻高々って感じですね。鷹だけに」「現場を見てみたい」「かっこいい」といった声が上がっています。オトナンサー編集部では、駆除を担当する企業と金沢市に聞きました。
2005年に完成した「もてなしドーム」
金沢市役所道路管理課によると、金沢駅に2005年、ガラス製ドーム「もてなしドーム」が完成して以降、その付近に鳩が住みつくようになり、次第に糞の被害に悩まされるようになりました。
ドームの面積は約3000平方メートル、高さは最高地点が29.5メートル。鳩はドーム内部の骨組み部分を中心に100羽ほど留まるようになり、中には巣を作る鳩もいたといいます。上から落ちてきた糞が通行人に当たるなどの被害が出るようになり、市では、ドーム内に鳩よけワイヤーを設置するなどの対策を講じましたが成果は出ませんでした。
そこで市は、鳥害対策を手掛ける株式会社「鷹丸」(石川県小松市、吉田剛之社長)に駆除を委託。同社は北陸新幹線が開業した2015年3月、鷹による駆除を開始し、最初は月8回、その後は月4回、鷹1羽をドームがある東口と西口を結ぶ直径約300メートルの範囲に飛ばしました。
「鳩は本来、崖に住む鳥で『すき間』に巣を作る習性があります。ドームは鳩にとって、住みやすい環境です。鷹は鳥類の食物連鎖の頂点に立つ存在で、害鳥が最も恐れる存在。駅周辺が鷹の縄張りになったと鳩に思い込ませることで、鳩が近づかないようにするのが狙いで、開始2~3カ月で鳩が減り、半年後にはほぼいなくなりました」(吉田社長)
2016年には駅から鳩の姿が消え、糞害もなくなりました。現在も環境維持のため月2回、鷹を飛ばしています。約60カ所で鷹を飛ばし、作業中は、鷹を飛ばしていることを示す看板を置いて歩行者に注意を促しています。
同課担当者は「かなり大きな効果が得られており、駆除の様子を観光客が撮影するなど、注目されています」としています。
(報道チーム)
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