【年収500万円の会社員】給与から引かれる「税金」はいくら? 「手取り額」は?
毎月の給与から引かれる「税金」。実際の手取り額に関わるため、自分が負担している税金を知ることは重要です。今回は「年収500万円の会社員」の税金と手取り額について、ファイナンシャルプランナーがシミュレーションします。
毎月の給与明細を見るたび、引かれている税金の額にため息をついている会社員の人は多いと思います。「年収」はあくまで額面であり、実際の手取り額は引かれる税金の額によって変わるため、自分の収入にかかっている税金はどのくらいなのかは気になるものです。
例えば、「年収500万円」の人が給与から引かれる年間の税金額とは、どのくらいなのでしょうか。不動産・遺産相続コンサルティングなどを手掛ける企業「プロサーチ」(東京都千代田区)代表取締役でファイナンシャルプランナーの松尾企晴さんが、具体的なシミュレーションを交えながら解説します。
どんな税金が引かれるの?
何に使おうかなと考えたり、旅行などの予定を立てたり…毎月、給与が入ってくるのは楽しみですよね。ただ、ふと給与明細に目を向けると、さまざまな金額が引かれていることに気付きます。
会社員の人が毎月の給与から差し引かれる税金は、「所得税」と「住民税」です。所得税は国税の一つで国に納める税金、一方の住民税は地方税で、都道府県や市区町村に納める税金です。これらは国や地方自治体の活動財源の一つとなっていて、中でも住民税は教育や福祉、消防、ごみ処理といった、私たちに身近なサービスのために使われています。
今回は、「東京都内で1人暮らしをしている、年収500万円(賞与なしと仮定)、配偶者や扶養家族がいない30代会社員」のケースを例に、負担している所得税や住民税、年間の手取り額、貯蓄の目安をお伝えします。
(1)「社会保険料」を確認しよう
所得税や住民税は、給与などの収入の他、「控除額」も合わせて計算されます。扶養する家族がいるかどうかで控除額が異なるため、同じ年収500万円でも手取り額が違います。
では、今回のモデルケースでは、毎月の給与からどのくらいの税金が引かれるのでしょうか。実際にシミュレーションしてみましょう。
手取りや税金の額を求めるため、まずは「社会保険料」を確認します。社会保険料には、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「労災保険料」「介護保険料」の5種類があります。
計算方法は原則、「標準報酬月額×保険料率÷2」です。この「÷2」は、会社と従業員がそれぞれ納めるためです。標準報酬月額は、4月から6月までの基本給や残業手当、住宅手当、役職手当、通勤手当などを合算して、それを3で割った金額をいいます(定時決定)。今回のモデルケースの場合ですと、標準報酬月額を41万6660円と仮定した場合、次のような年額となります。(保険料率は2022年7月現在。分かりやすく端数調整しています)
【厚生年金保険(料率18.3%)】
41万6660円×18.3%÷2≒3万8100円(月額)
→45万7200円(年額)
【健康保険(料率9.84%)】
41万6660円×9.84%÷2≒2万500円(月額)
→24万6000円(年額)
【雇用保険(一般。料率0.30%)】
41万6660円×0.3%≒1200円(月額)
→1万4400円(年額)
よって、このケースの年間の社会保険料は、「71万7600円(月5万9800円)」です。
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