「妥協して結婚」は本当にネガティブ? 最高の幸せに変えた2組の夫婦
「妥協して結婚した」と聞くと、どこかネガティブな印象があるもの。しかし、「妥協」を経て最高の結婚をした夫婦も存在するようです。筆者が知る2組の夫婦の事例を紹介します。
“妥協婚”とは、何と物悲しい響きなのでしょう。「完璧な理想の相手ではないけれど、折り合いをつけて結婚」という意味で、“折り婚”とも呼べます。
では、実際にどれだけのカップルが“妥協婚”“折り婚”しているのか。実例とともにご紹介しましょう。
妥協点「特にない」が約3割、しかし男女比は…
ウエディング事業を展開するアニヴェルセル(東京都港区)によるトレンド情報サイト「アニヴェルセル総研」が2017年4月、全国の23~39歳の男女1236人を対象に行った調査を見てみます。
「あなたは、結婚相手に対して妥協したポイントはありますか(複数回答)」という設問では、1位が「容姿(24.1%)」、2位が「収入(23.6%)」、3位が「性格(16.0%)」、4位が「家事の得意度(15.2%)」…と続きます。1位と2位は順当かと思いますが、3位の「性格」には少し驚きました。生涯を共にするお相手の性格に難があって大丈夫なのか、と心配にもなります。
この設問で、「特にない」と回答したのは31.2%。全体の約3割が、妥協することなく結婚したということです。ただし、これにはからくりが。実は男女別で見ると、「特にない」と答えた男性が40.1%であるのに対し、女性は22.3%という結果なのです。女性の方がシビアに相手を見ているのがよく分かります。
実際に、女性が「妥協して結婚した」と、堂々と公言した事例があります。
これが“妥協婚”なら「最高!」と言いたい
「妥協して結婚するなんて、みんなそうなんじゃないんですか」と、あっけらかんと話してくれたのは恵子さん(43歳、仮名)。彼女の夫、悠太さん(45歳、同)は大学の先輩でした。同じサークルで友人関係が長く続き、恵子さんが38歳のときに周りを見渡したら、仲間内で独身だったのは悠太さんだけだったそうです。
「仕事が楽しくて、気が付けば38歳になっていました。うちは姉が3人産んでいたし、両親も私の性格を知っているので、結婚しなさいと言われたことはありません」
仕事で嫌なことがあり、一緒に飲んでくれる友達はいないかと考えたとき、家庭を持っている人には迷惑がかかる…そこで、白羽の矢が立ったのが先輩の悠太さんでした。飲みながら仕事の愚痴を聞いてもらっているうちに、ふと、「毎日こういうふうに過ごせたら楽しいだろうな」と思ったそうです。
「私の嫌なところやダメなところも知っているし、変に取り繕うこともしないし。全然タイプじゃないけれど、彼とだったら飽きずに生活していけるんじゃないかなって。お酒の勢いもあって、そのまま伝えたんです。そしたら彼も、そろそろ結婚しなきゃなあと思っていたそうで。マッチングアプリにも登録していたみたい。
なにぶん年齢も年齢だし、一から出会ってお互い探り合って恋愛して…みたいなことが面倒くさい。意見が一致して、あっという間に結婚しました。こういうのを“妥協婚”っていうなら、私は『妥協婚、すごくいい!』って声を大にして言いたいです」
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