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「ポイントカード」にスタンプを全部押してネットオークションへ…出品者や落札者の法的責任は?

スタンプが貯まると、割引券など各種の特典がもらえる「ポイントカード」ですが最近、スタンプが押されたカードがネットオークションに出品され、店舗関係者の不正が疑われるケースもあるようです。

ポイントカードが出品されるケースも…

 飲食店などの会計時、金額に応じてスタンプを集めると、無料券や割引券、景品などの特典がもらえる「ポイントカード」。ネットオークションなどでは近ごろ、すべての欄にスタンプが押されたカードが出品され、店舗関係者の不正が疑われるケースも報じられています。仮に、店舗関係者が利益目的でスタンプを押したり、スタンプがたまったカードを出品したりした場合、どのような法的問題が生じうるでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

店舗に損害があれば不法行為の可能性

Q.店舗関係者が故意に、本来押すことのできる数よりも多いスタンプを押した場合、どのような法的問題が生じえますか。

牧野さん「多くスタンプを押すことで結果的に店舗へ損害を与えていれば、民法709条の不法行為により、発生した損害を賠償する責任を負う可能性があります。店舗関係者が店舗に雇用されている関係であれば、雇用契約違反による債務不履行で発生した損害を賠償する責任を負うでしょう。親などが身元保証人になっていれば、身元保証人に請求できる可能性があります」

Q.店舗関係者が利益目的でカードにスタンプを押し、ネットオークションに出品した場合、どのような法的問題が生じうるでしょうか。

牧野さん「『利益目的』の場合も前項と基本的に同じです。店舗に損害を与えていれば、民法709条の不法行為により、発生した損害を賠償する責任を負うでしょう。身元保証人に請求できる可能性もあります」

Q.店舗利用者が、ネットオークションで落札したカードを実際に使用した場合、何らかの法的責任を問われますか。

牧野さん「落札した通常の利用者は偽造カードである事情を知らないので、外形上本物のスタンプが押されたカードの利用について法的責任は発生しないでしょう。また店舗側も、偽造カードであることを理由にサービスの提供を拒否することは難しいと思われます。ただし、店舗関係者などで例外的に偽造カードである事情を知っていた場合、まず店舗側は偽造カードであることを理由にサービスの提供を拒否できるでしょう。さらに、店舗に損害を与えているので、民法709条の不法行為に基づき、損害賠償を請求できる可能性があります」

(オトナンサー編集部)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。