「サラ金の前に生活福祉資金貸付制度の活用を」投稿に共感の声「テレビでやって」、どんな制度?
低所得者や障害者などが利用できる「生活福祉資金貸付制度」が話題に。「サラ金に行く前に活用を」と呼びかける投稿に対し「こういう事テレビでやればいいのに」などの声が上がっています。行政に取材しました。
SNS上で先日「サラ金に行く前に『生活福祉資金貸付制度』の活用を……単身なら月15万が最長12カ月無利子(保証人あり)か年1.5%(保証人なし)で借りられるから……転居費用の敷金礼金なら40万まで借りられるよ……諦めないで……」との投稿が話題となりました。「こういう制度を利用して後顧の憂いなく生活を立て直すのは良さそうですね」「こういう事テレビでやればいいのに、、、」など、制度の存在を知らなかった人たちのコメントが相次いでいますが、その内容とは一体どのようなものでしょうか。厚生労働省に取材しました。
実施主体は都道府県社会福祉協議会
厚労省によると、生活福祉資金貸付制度の実施主体は都道府県社会福祉協議会で、制度に関する問い合わせ先は、住んでいる地域の市区町村社会福祉協議会。対象となるのは、以下の3つの世帯です。
【低所得者世帯】
資金の貸し付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯で、独立自活に必要な資金の融通を他から受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
【障害者世帯】
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者、その他、現に障害者総合支援法によるサービスを利用しているなどこれと同程度と認められる者
【高齢者世帯】
65歳以上の高齢者の属する世帯
原則として連帯保証人が必要ですが立てなくても可。連帯保証人を立てた場合は無利子、立てない場合は年1.5%の利子があります。貸付資金は「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援資金」「不動産担保型生活資金」の4つで、その詳細は以下の通りです。
【総合支援資金】
1.生活支援費(生活再建までの間に必要な生活費用)
月20万円以内(2人以上)、月15万円以内(単身) ※貸付期間は原則3カ月(最長12カ月)
2.住宅入居費(敷金、礼金など住宅の賃宅契約を結ぶために必要な費用)
40万円以内
3.一時生活再建費(生活を再建するために一時的に必要、かつ日常生活費でまかなうことが困難である費用)
60万円以内
【福祉資金】
1.福祉費(日常生活を送る上で、または自立生活に資するために、一時的に必要であると見込まれる費用)
580万円以内 ※資金の用途に応じて目安額が設定
2.緊急小口資金(緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用)
10万円以内
【教育支援資金】
1.教育支援費(低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校に修学するために必要な経費)
高校=月3.5万円以内、高専=月6万円以内、短大=月6万以内、大学=月6.5万円以内 ※特に必要と認められる場合は各上限額の1.5倍まで貸し付け可能
2.就学支度費(低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校への入学に際し必要な経費)
50万円以内
【不動産担保型生活資金】
1.不動産担保型生活資金(低所得の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金)
土地の評価額の70%程度、月30万円以内 ※貸付期間は、借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間。貸付利子は年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率。
2.要保護世帯向け不動産担保型生活資金(要保護の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける資金)
土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)、生活扶助額の1.5倍以内 ※貸付期間、貸付利子は同上。
(オトナンサー編集部)
コメント