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「友達がいじめられているのに、担任はいじめっ子の味方で学校も変わらない」、どう対応すべき?

友達がいじめに遭っているのに学校や教育委員会が十分対応してくれない、という趣旨の投稿がSNS上で話題に。「警察に行くべき」などの声が上がっていますが、被害者はどのような法的対応が可能でしょうか。

いじめに担任や学校は対応してくれず…

 学校でのいじめに関する投稿が先日SNS上で話題になりました。友達がいじめに遭っているという投稿者は「担任にも相談しているのですがいじめっ子側に立ち(中略)何度も学校側、教育委員会に訴えているのですが大して変わりません」という内容を、友達本人や親の要望により投稿。友達も心の傷を負っているといい「こういう教員が増えないことを願います」としています。

 これに対し「日記とか証拠的なものがあるならそれ持って警察行くべきだよ」「教師がちゃんとしないと、学校なんてただの無法地帯」「とにかく負けないでほしい」など、さまざまな声が上がっていますが、こうしたケースで何らかの法的手段に訴えることは可能なのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。

「いじめ防止対策推進法」は努力義務

「いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)の第二十三条(いじめに対する措置)は、いじめに対して適切な措置を取るべきことをきちんと規定していますが単なる努力義務にとどまり、違反への罰則はありません」(牧野さん)

 その規定とは以下の通りです。

1.学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。

2.学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。

3.学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。

4.学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。

5.学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。

6.学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。

「6」は所轄警察署との連携について規定していますが、文部科学省は平成24年11月2日、「犯罪行為として取り扱われるべきと認められるいじめ事案に関する警察への相談・通報について」という通達を出しています。

1.早期の警察との相談、連携した対応

 いじめる児童生徒に対して必要な教育上の指導を行っていても十分な効果をあげることが困難な場合、学校はためらうことなく、早期に警察に相談し、連携した対応をとることが重要である。

2.児童生徒の生命又は身体の安全が脅かされる場合

 いじめ事案の中でも、とくに、いじめられている児童生徒の生命又は身体の安全が脅かされている場合は、直ちに警察に通報することが必要である。

3.保護者への周知

 学校内で犯罪行為と認められる行為があった場合の対応について、日ごろから保護者に周知を図り、理解を得ておくことが重要

4.いじめが抵触する可能性がある刑罰法規の例

 強制わいせつ、傷害、暴行、強要、窃盗、恐喝、器物損壊など

「子どもがいじめに遭っていると知った保護者はまず学校に出向き、担任の先生や学校長、教頭などの管理職にその被害を伝え、一刻も早く制止を申し入れるのが一般的な対応でしょう。しかし、そのような行動を取ったとしても、いじめがすぐになくなるとは限りません。まずは、担任が対象の生徒を呼んで事実確認を行うはずですが、いじめの事実を素直に認めずに『単なる悪ふざけ』と言い訳するでしょうし、事情を聴取した教師に被害生徒にも非があることを伝えて自分の味方に付けることも考えられます。その結果、いじめがさらに陰湿化する方向でエスカレートし、最悪の場合、子どもの自殺という結果になってしまう可能性があります。悪質ないじめは、子どもの行為であっても犯罪行為ですのでその場合、法的手段を使ってでも子どもを守るべきでしょう。そこで、弁護士に相談することをお勧めします」(牧野さん)

(オトナンサー編集部)

牧野和夫(まきの・かずお)

弁護士(日・米ミシガン州)・弁理士

1981年早稲田大学法学部卒、1991年ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、1992年米ミシガン州弁護士登録、2006年弁護士・弁理士登録。いすゞ自動車課長・審議役、アップルコンピュータ法務部長、Business Software Alliance(BSA)日本代表事務局長、内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員、国士舘大学法学部教授、尚美学園大学大学院客員教授、東京理科大学大学院客員教授を歴任し、現在に至る。専門は国際取引法、知的財産権、ライセンス契約、デジタルコンテンツ、インターネット法、企業法務、製造物責任、IT法務全般、個人情報保護法、法務・知財戦略、一般民事・刑事。

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