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自主的にお手伝い、管理能力向上…「自主休校」で得られたメリット、3家族のケース

自己管理能力、身に付いた

 東京都在住のCさん(45歳、男性)の息子は中学2年生で、本人が「感染が怖いから学校を休みたい」と言ったため、昨年12月から3カ月間、自主休校をしました。加えて、今年の2学期から再度、自主休校をしています。

「自主休校のデメリットは親の負担が増えることです。妻が専業主婦で、息子と昼間は一緒に家にいますが、ずっと2人で過ごしているからか、ストレスがたまるようで、激しくけんかをするようになりました。私も妻に任せきりにするわけにはいかないので、2人のために仕事を休まざるを得ないことがあります。家事をすることも増えましたが、妻の大変さを知ることができたので、その点はよかったのですが」(Cさん)

 一方で、Cさんの息子に好ましい変化が見られるようになったそうです。

「自主休校を通して、息子に自己管理能力が備わったと感じます。それまでは勉強はおろか、風呂やご飯も、こちらがしつこく促してもなかなか腰を上げなかったのですが。自主休校で『自分でなんとかしなければ』という意識が出てきたのだと思います。

今はクラスメートが登校している時間に運動と勉強をして、下校時間が過ぎてから、友達とオンラインでゲームをするなどして過ごしています。息子の生活に目に見えてメリハリがつきました」

 今回紹介した3人のエピソードから見ると、自主休校にはメリットもデメリットもありますが、本人や保護者の工夫と心構えで、メリットの部分を伸ばせそうな可能性が感じられました。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

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