忙しくても面倒くさくても…「浮気」を思いとどまらない人たちの実情とは
2人目妊娠中に発覚
「俺が浮気をしたときは、女にだまされたときだから許せよ」
結婚するとき、奈美さん(39歳、仮名)の夫、啓介さん(36歳、仮名)はこう言ったそうです。
「もし、俺が浮気をするとしたら、それはだまされて、無理やりされたときだ。朝起きて、隣に奈美以外の女がいたら殴るかも」
大げさな人だなと思った奈美さんですが、恋愛関係の頃から、啓介さんは情熱的で、常に奈美さんを楽しませるデートを計画し、一生懸命でした。彼女は「とっても愛してくれているんだな」と安心していました。
結婚してからも、啓介さんは変わらず、奈美さんを求めてくれました。連絡もLINEと電話でまめに取り合います。連絡がつかないことなど一度もなく、1人目の子どもができてからもそれは変わりませんでした。
ところが、2人目を妊娠中、いくら連絡をしてもLINEに既読がつかず、朝まで連絡が取れないときがありました。朝方に帰ってきた啓介さんにどうしたのかと話を聞くと「酒癖の悪い友人につかまってしまった」と。その友人のことを奈美さんもよく知っていたので信じました。
しかし、その後、たびたび同じようなことが起こりました。その友人に対して腹が立った奈美さんは「妊娠中で何があるか分からないのだから、啓介さんをあまり誘わないでほしい」とメッセージを送りました。すると、相手から、「しばらく啓介さんとは飲んでいない」と返信が。奈美さんは青ざめます。
啓介さんを問いただしたところ、浮気相手に会っていたことを認めました。それどころか、啓介さんは「相手のことを真剣に好きになってしまった」と言うのです。
「最初はだまされていたんだから許せよ。途中から、俺が真剣になったんだけど」
「は? 浮気するときは自発的じゃないって昔から言っていたよね」
冷静に話をすると、啓介さんは過去にも何度か浮気をし、ワンナイトも経験あり。「全部、あちらから誘われたからいいだろう」という言い分でした。奈美さんだけを情熱的に愛していると思っていたのに、この期に及んで、「自分からではない」という言い訳はあまりに情けないものです。そして、現在、2人は離婚調停中です。
面倒くさそうでも…
浮気をする人にもさまざまなタイプがいますが、エネルギッシュで、心の赴くままに行動を起こす人たちが多いかもしれません。昔から、「英雄色を好む」と言いますが、バイタリティーにあふれる人たちというのは仕事だけでなく、あらゆる方面に対して「勝ち取りたい」という意欲が湧き、エネルギーを傾けるのでしょう。「忙しい」「面倒くさい」など関係ないのです。
一方、相談所で話を聞いていると「こんなおとなしそうな真面目夫が3人と浮気?」という“事実は小説より奇なり”案件にも遭遇します。真面目そうな人ほど、浮気にも真剣に向き合うのかと思いました。浮気は「悪いこと」です。しかし、「自分に正直に生きることがよいことだ」と思う一定の人たちにとっては矛盾する出来事になってしまうのかもしれません。
では、未婚の皆さん、恋愛中に相手が浮気性だと分かったら、どうしますか。その結婚はナシにしますか。
女優の樹木希林さんが生前、テレビ番組でこうおっしゃっていました。「分別のついた大人は結婚なんかできない」。相手の稼ぐ力や浮気性かどうかなど、判断に時間をかけていたら、結婚できなくなるというのです。確かにそう思います。「浮気性を私が(僕が)直す。あるいは、浮気できないくらい私から(僕から)愛情を与える」。それくらいの覚悟で結婚するのがベストです。
既婚で、現在、パートナーの浮気に腹を立てている人も先述の洋子さんや啓介さんのことを思い出し、「こういうタイプの人もいるんだ」と比較検討してみましょう。最後に念押しします。面倒くさそうでも浮気する人はします。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)
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