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駒大生、女子高生にみだらな行為で逮捕 交際中なら、逮捕は行き過ぎでは?

実名報道は正しかった?

Q.今回の件で、一部メディアは匿名報道にしているものの、駅伝で活躍した選手ということもあるかもしれませんが、多くのメディアが実名で報道しています。「実名報道は厳しい」「人生が終わる」といった声もあります。成人とはいえ、まだ大学生です。実名報道は妥当でしょうか。

佐藤さん「実名報道は容疑者のプライバシーや名誉を損ない、また、場合によっては有罪判決を受ける前なのに、犯罪者であるかのような印象を与えるなどの問題点もあります。しかし、報道機関には表現の自由があり、国民には知る権利があります。実名報道によって、正確な情報を発信し、社会で共有することは重要であるとの考えから、日本では一定の例外を除いて、実名報道がなされています。

本件においても、容疑者(男子学生)は成人しており、また、駅伝で活躍した選手ということで社会的に注目を集めた存在であることからも、実名報道には一定の公益性があるものと思います。ただ、報道側の姿勢として、有罪であることが確定したかのような表現をすることはあってはなりませんし、情報の受け手である私たちも、そうした受け止めをしないことは大切でしょう」

Q.少年法との関係でお聞きします。少年法で禁じる18歳、19歳の実名報道が、5月21日に改正少年法が成立し、来年4月から一部解禁されることになりました。実名報道解禁には日弁連などが反対していますが、今回の実名報道とのバランスについて、どう思われますか。

佐藤さん「少年法が事件の加害者となった少年について実名報道を禁じているのは、少年には柔軟性があり、適切な大人と関わる中で更生する可能性が高く、社会復帰を促すことが大切だと考えられているからです。

では、何歳までであれば更生可能性が高く、実名報道をせずに復学や就職などをしやすい環境を守るべきなのか、線引きは難しいですが、高卒で働き出す人が少なくなってきているなど、今の日本の状況を踏まえると、少なくとも18歳、19歳の多くは経済的、社会的、精神的に自立しておらず、実名報道から守る、つまり、報道するのであれば、匿名にする必要性が高いように思います。10代の少年が実名報道され、社会から孤立すれば、立ち直りは非常に困難となり、再犯に及ぶ可能性も高まるでしょう。

どこかで線引きせざるを得ない以上、20歳未満という基準には一定の合理性があり、少年法が改正されても18歳、19歳について、大人と同じ刑事裁判を受けさせるかどうか、ひいては実名報道するかどうか、慎重な運用が求められるべきだと思います。20歳以上の場合、実名報道の公益性などを踏まえ、従来通りの運用が続くのではないかと思います」

Q.今回の逮捕と実名報道について、率直にどう思われますか。

佐藤さん「報道からは2人が本当に交際していたのかどうか、どのような関係を築いていたのかどうかが分かりません。警察が2人の関係性をきちんと捜査した結果、2人の間には真摯な交際関係がなく、みだらな行為が女子高生を傷つけるようなものであると疑って逮捕に至ったのであれば、逮捕は正当なものでしょう。一方、2人の関係を踏まえ、女子高生の心身を傷つけるような事情が見当たらないのに逮捕に至ったのだとしたら、行き過ぎた逮捕であるように思います。

実名報道については、先述した通り、被疑者が世間の注目を集めた選手ということもあり、一定の公益性、合理性が認められるのではないでしょうか。報道によって、被疑者や家族に不当な影響が及ばぬよう、報道機関も情報の受け手である私たちも偏見なく、今後の捜査の行方を見守ることが大切でしょう」

(オトナンサー編集部)

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佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

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