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学生の「オンライン授業」批判はお門違い? 求められるのは、コロナ禍の交流

キャンパスライフは「ゼロ」に

 しかし、これら(1)~(3)全てがうまくいき、授業内容を完璧に提供したとしても、オンラインだけでは(4)の学生同士の交流は不足、あるいはゼロになってしまいます。普通にキャンパスで(1)~(3)を行っていれば、授業が終わった後、友達や気になっているかわいい子に話し掛けて、学食ランチに誘ったり、帰りに遊びに行く提案をしたりできます。

 ところが、もろもろがオンラインになっていると、質問などのために教員には連絡手段が用意されているかもしれませんが、学生間が知り合う手段、その後のコミュニケーションを取る手段がありません。授業の動画の再生が終わり、実習やゼミのシステムの「退出」ボタンを押したら、その瞬間に完全に大学から、あるいは「謳歌すべき青春」から切り離されてしまうのです。

 このように整理してみると、大学が(1)の講義型の授業のオンライン化を進める姿勢を批判するのは、実はお門違いで、(4)の学生同士の交流の機能を、コロナ禍でも何とか維持できるような工夫をしないことに批判が向けられるべきではないかと思います。しかし、一方で学費は(1)~(3)の対価だから、その機能がちゃん維持されていれば問題なしともいえそうです。さて、大学生の皆さん、親御さんはどのようにお考えでしょうか。

(名古屋大学未来社会創造機構特任准教授 島崎敢)

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島崎敢(しまざき・かん)

近畿大学生物理工学部准教授

1976年、東京都練馬区生まれ。静岡県立大学卒業後、大型トラックのドライバーなどで学費をため、早稲田大学大学院に進学し学位を取得。同大助手、助教、国立研究開発法人防災科学技術研究所特別研究員、名古屋大学未来社会創造機構特任准教授を経て、2022年4月から、近畿大学生物理工学部人間環境デザイン学科で准教授を務める。日本交通心理学会が認定する主幹総合交通心理士の他、全ての一種免許と大型二種免許、クレーンや重機など多くの資格を持つ。心理学による事故防止や災害リスク軽減を目指す研究者で、3人の娘の父親。趣味は料理と娘のヘアアレンジ。著書に「心配学〜本当の確率となぜずれる〜」(光文社)などがあり、「アベマプライム」「首都圏情報ネタドリ!」「TVタックル」などメディア出演も多数。博士(人間科学)。

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