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コンプライアンスは無縁? テレビがエロやタバコNGで「お酒」だけOKの理由

テレビ番組において昨今、バカやエロ、暴力、タバコなどに関する表現への規制や圧力が強まっています。そうした中、規制されるどころか存在感を増しているものが「お酒」。なぜ、お酒だけが許されるのでしょうか。

テレビ番組で「お酒」が許容されるのはなぜ?

 近年、バカやエロ、暴力、タバコなどをめぐる表現への苦情が相次ぐほか、コンプライアンスに気を取られるあまり、テレビ番組の自主規制は進む一方。放送倫理・番組向上機構(BPO)への申し立てやスポンサー企業への抗議などクレーマー優位の状況が続いて無難な番組が増え、視聴者のみならずタレントたちも「テレビがつまらなくなった」という声を上げ始めています。

 しかし、なぜか「お酒」だけはほとんど規制されていません。それどころか、飲酒シーンを売りにした番組は増え続けています。

 もはや“酒酔い番組”の定番となった「ダウンタウンなう」(フジテレビ系)「笑ってコラえて!」(日本テレビ系)の「朝までハシゴ酒」に加えて、「二軒目どうする?ツマミの話」(テレビ東京系)ではジャニーズ事務所の松岡昌宏さんが、深夜番組の「陸海空 こんな時間に地球征服するなんて」(テレビ朝日系)の「部族アース」では番組スタッフのナスDが、さらに朝番組の「ボクらの時代」(フジテレビ系)でも飲酒シーンがありました。

 ドラマのワンシーンで登場人物がタバコを吸っただけでも苦情が寄せられる中、なぜお酒だけは許されているのでしょうか。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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