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「半沢直樹」は大ヒットでも…夏のテレビはなぜ視聴率が下がるのか

「夏休みにわざわざ見てもらう」ために

 ただ、必ずしも悪いことばかりではありません。厳しい季節だからこそ、時折思ってもみなかったようなヒット作が飛び出すこともあります。

 それが顕著なのが連ドラ。2005年の「電車男」(フジテレビ系)、2014年の「昼顔 ~平日午後3時の恋人たち~」(同)は、斬新なテーマで世間の注目を集め、夏の話題をさらいました。

 そして極めつきは、社会現象となった2013年の「半沢直樹」(TBS系)。当時、ビジネスの世界を扱ったドラマはほとんどなく、放送前は「失敗するのでは」という声も少なくありませんでした。そんなテーマに思い切って挑戦できたのは「夏だからこそ」であり、「他番組の苦戦が快進撃をより際立たせた」とも言えるでしょう。

 前述したように、テレビ局にとって夏は番組を見てもらいにくい時期であることに間違いありません。しかし、会社と学校が夏休みの時期という事実もあり、だからこそ「半沢直樹」はヒットどころか、ほかの季節を上回る今世紀最大のホームランとなりえたのでしょう。夏にはテレビ番組以外のさまざまな楽しみがある中、「わざわざ見る」という状況をいかに作るかが、ほかの季節以上に問われているのです。

 チャリティーの内容をめぐって賛否両論はあるにしても、毎年8月下旬に放送される「24時間テレビ 愛は地球を救う」(日本テレビ系)が年間視聴率ランキングのトップ10に入る高視聴率を獲得していることからも、「わざわざ見る」ことの重要さがわかるでしょう。

 連ドラ、特番のいずれにしても、今夏にヒット作は生まれるのか。視聴率の高低にかかわらず、あなたなりのヒット作を探してみてはいかがでしょうか。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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