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「半沢直樹」は大ヒットでも…夏のテレビはなぜ視聴率が下がるのか

スポーツと音楽の大型特番が多い理由

 次に、情報番組の問題はネタ不足。各局のテレビマンたちが頭を痛めて考えた結果、選ばれるのは、猛暑、ゲリラ豪雨、夏バテ対策、快眠グッズ、海やプールの事件簿、渋滞、迷子などの浅堀りニュースばかり。番組ごとに少しずつ切り口を変えてはいますが、朝から夜まで深掘りすることなく、淡々とこれらのテーマを放送しています。

 バラエティー番組は、普段芸人を大量起用していることが夏に限っては裏目に出がち。「開放感のある夏だから」とはしゃぐと「暑苦しい」、お笑いの要素を抑えると「物足りない」という苦情が寄せられるなど、演出のさじ加減が難しいのです。

 芸人の目線で見ても、夏は「海」「花火」「夏休み」「ひと夏の恋」など、より季節性の高いトークテーマを求められて苦戦する時期。新たなエピソードを準備するのが難しい上に、「じっくり話を聞く」ほかの季節とは異なり、短めの話をテンポよくしゃべることを求められてスベってしまうことも少なくありません。

 連ドラ、情報番組、バラエティー番組が苦戦必至の夏で、テレビ局にとって最も無難なジャンルは、スポーツと音楽。どちらも夏の大型特番が多いのは、「他ジャンルの番組が視聴率とテーマの両面で難しいから」という苦しい理由があるからなのです。

 余談ですが、民放各局は「外出が多くてテレビを見てもらえないなら、イベントで稼ごう」と、社屋周辺で開催する夏のイベントに力を入れているのです。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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