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「お菓子」食べ過ぎが子どもの偏食生む、欲求抑える3つの方法

子どもの偏食には「お菓子」の習慣が関わっています。お母さんがお菓子の食べ過ぎに気を配っても、身近な家族が悪気なく偏食改善の邪魔をしていることもあるようです。

お菓子の習慣が偏食と関係?
お菓子の習慣が偏食と関係?

 筆者のところには、子どもの偏食に頭を悩ませている親御さんの相談が多く届きますが、偏食と大きく関連する問題に「お菓子の習慣」があります。お菓子でおなかが満たされてしまえば、苦手なものを食べる理由がなくなってしまうのです。

 関連した相談内容として、子どもの食事を主に指導するお母さんが、子どもがお菓子を食べ過ぎないように気を配っているにもかかわらず、身近な家族が、悪気なくお母さんの努力を邪魔して、子どもの偏食が治らないというものがあります。

頑張るお母さん、邪魔するお父さん

 最近、このような相談が届きました。

「子どもがお菓子を食べ過ぎないように、うまくコントロールしているのに、旦那が晩酌(ばんしゃく)のときにつまむお菓子を子どもにあげてしまう。子どもも『晩ご飯を食べなくても、後でお父さんからお菓子をもらえばいい』と覚えてしまっている」

「おばあちゃんが間食でお菓子をよく食べているが、それを勝手に子どもに与える。孫の喜ぶ顔が見たいのは分かるが、私の努力が水の泡になる感じがしてつらい」

 いつの時代も、お母さんは子どもがお菓子を食べ過ぎないようにと頑張ります。一方で、それがうまくいかない場合があります。それは、お父さんやおばあさんなど他の家族が子どもに勝手にお菓子をあげてしまうケースです。

 お母さんがお菓子を与えないように伝えても、「これくらいだったら別に大丈夫だろう」と言われるそうです。しかし、エネルギー摂取量が数量的には問題がなかったとしても「後でもらえるからご飯を食べなくてもいいや」と、子どもが覚えてしまうことによって偏食が長引くケースがあります。

 また、食事中においても、他の家族が「子どもが好きな食べ物だから」と言って、自分の分を子どもにあげるといったことはないでしょうか。こうした習慣も、子どもは「好きなものをお父さんがくれるから、苦手なものは食べなくてもいいや」と覚えてしまうことにつながり、偏食が長引く要因になります。そのため、周りの家族はたとえ悪気がなくても、こういったことはやめてほしいと思います。

お菓子の与え過ぎで改善困難に

 子どもはお菓子やジュースが大好きです。そして、それらを全てゼロにする必要はありません。しかし、お菓子の与え過ぎなどによって子どものおなかが満たされてしまえば、偏食を改善していくのは大変困難になります。

 簡単な基準を示すと、お菓子を含む間食でのエネルギー摂取量の目安は、1日当たりのエネルギー摂取量の10%から多くても20%までと言われています。例えば、3歳の男の子の場合、1日当たりのエネルギー摂取量の目安は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」よると1300キロカロリーです。

 一方で、果汁100%のオレンジジュースは350ミリリットルで約150キロカロリーとなり、これだけでもすでに間食でのエネルギー摂取量の目安を超えてしまいます。

 そして、子どもが食事に手を伸ばす順番は(1)好きなもの(2)食べられそうなもの(3)苦手なものの順です。そうしたことからも、お菓子やジュースなども含めた間食で満たされてしまったり、好きなものばかりが食卓に並んでしまったりすると、苦手なものを食べる理由もなくなり、手を伸ばすことはありません。

 そこで、筆者は普段のカウンセリングの中で、間食をうまくコントロールすること▽好きなものの量を食卓全体の50%に、食べられそうなものの量を25%に、苦手なものを25%にすること▽苦手なものを食べられなくても怒らないこと、などをお伝えしています。

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山口健太(やまぐち・けんた)

月刊給食指導研修資料(きゅうけん)編集長、株式会社日本教育資料代表取締役、一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事

人前で食事ができない「会食恐怖症」の当事者経験から、食べる相手やコミュニケーションの違いによって食欲が増減することを実感。既存の「食べない子」への対処法に疑問を感じ、カウンセラーとして活動を開始。「食べない子」が変わるコミュニケーションノウハウの第一人者として、延べ3000人以上の相談を受ける。著書に海外でも翻訳出版されている「食べない子が変わる魔法の言葉」(辰巳出版)などがあり、給食指導などの研修を保育所や学校などの栄養士・教職員に向けて行っている。「目からうろこの内容」と言われるほど“とにかく分かりやすい解説”と、今日からすぐに使える実用的な内容が特徴。月刊給食指導研修資料(きゅうけん)

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