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感染症予防のうがい 水よりも「お茶」が効果的って本当?

医師の見解は?

 では、医学的観点から見た「お茶でうがい」の効果やポイントとは、どのようなものでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

Q.「お茶でうがい」は風邪や感染症などに対して、水でのうがいよりも予防効果があるのでしょうか。

市原さん「ウイルスを外に押し流すという意味では、水でのうがいも効果があると思いますが、お茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンには、抗ウイルス作用があり、ウイルスが気道の粘膜に付着するのを防ぐ効果があります。そのため、お茶でうがいをすることはウイルス感染予防になると思います。

また、ウイルスが胃に流れ込めば胃酸により死滅します。お茶をこまめに飲むことも有効です」

Q.「お茶でうがい」の効果をさらに高めるポイントはありますか。

市原さん「高温の湯を使う方が、カテキンが多く抽出されるので効果が高くなりますが、うがいの際は冷めてから行いましょう。『1日に何回うがいをした方がよいか』という指標はありませんが、できるだけ頻繁に行う方がよいです」

Q.お茶でうがいをするにあたり、注意点はありますか。

市原さん「ペットボトルのお茶を使ってうがいをする場合、ペットボトルの取り扱いに注意が必要です。ふたを開けっ放しにしたり、洗っていない手でペットボトルの飲み口を触ったりすると、うがいの効果以前に、ウイルスや菌を新たに口の中に入れる可能性があります。

同様の理由で、手で水をすくってうがいをするときは手をきれいに洗ってからにしましょう」

Q.お茶でのうがい以外の感染症予防策を教えてください。

市原さん「基本の予防策としては、人混みに出ないこと、マスクや眼鏡で外部からの飛沫(ひまつ)感染を防ぐこと、こまめに手洗いをすることが挙げられます。不用意に顔を触るのも避けましょう。また、ドアノブやパソコンのキーボードなど、不特定多数が使用する箇所をアルコールで消毒することも大切です。

そして、規則正しい生活をして免疫力を落とさないようにすること、食物繊維と乳酸菌、ビフィズス菌を積極的に摂取して腸内環境を整え、免疫力を上げることも意識しましょう」

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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