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痛いひび割れ…冬の「乾燥唇」、舌でなめると逆効果? 正しい予防や対処法は?

唇が荒れてしまったら…

Q.唇が荒れてしまった場合の対処法を教えてください。特に、ひび割れや出血した場合はどうしたらよいのでしょうか。

佐藤さん「かさつきや乾燥など軽症の場合、リップクリームやワセリンを塗って保護することで改善します。皮むけの症状が出たら、皮をむいたり、こすったりするなどの刺激を与えないようにしてください。唇荒れがさらに悪化してひび割れや出血を伴う場合は、唇荒れに効能がある市販薬を使用し、ワセリンを塗り増しして保護してください」

Q.唇が荒れて、皮膚科を受診すべきなのはどのような状態、もしくはどのような状態がどれくらい続いたときでしょうか。

佐藤さん「セルフケアを行っても症状が一向に改善せず、皮膚の発疹やただれ、出血、亀裂などの症状があり、痛みを伴う場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。市販薬を使用して1週間くらいしても改善が見られなければ、炎症が進行しているか、乾燥以外の他の原因も考えられるため、医師の診察を受けた方がよいでしょう」

Q.乾燥に限らず、唇を健康に保つための注意点を教えてください。

佐藤さん「リップクリームは乾燥やダメージを防ぐのに必須ですが、香りが強かったり発色が強かったりするものは要注意です。薬効とは無関係の添加物を含む可能性があり、肌の弱い人や症状によっては悪化することがあります。なるべく添加物が少ないものを使用しましょう。

肌に紫外線がよくないのと同様、唇も紫外線が当たるとダメージを受けて荒れやすくなり、シミもできてしまいます。紫外線カットのリップクリームやマスク着用などで日焼けしないようにしましょう。そのほか、口を拭くとき、必要以上に強くこすらず、タオルやハンカチを軽く押さえて汚れを落とすようにすることも大切です。

栄養不足、特にビタミンB2やB6などが不足すると口唇炎や口角炎を起こしやすくなります。ビタミン補給を心掛け、偏りのない食事を取るようにしましょう。過度な塩分や香辛料を含む刺激物やアルコールなどは唇に負担になることがあるので、取り過ぎないように注意しましょう。

冒頭でも述べましたが、唇は皮膚と粘膜の移行部です。その粘膜は胃腸などの消化管とつながっており、胃腸の不調は唇の荒れに直結します。他の部分の皮膚より薄い分、唇の色や状態は体内の不調が現れやすいです。体の内から改善することも大切です」

(オトナンサー編集部)

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佐藤卓士(さとう・たかし)

医師(皮膚科・形成外科)・医学博士

アヴェニュー表参道クリニック院長。京都大学農学部卒業。九州大学医学部卒業。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽(けんさん)を積み、現在に至る。日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会所属。アヴェニュー表参道クリニック(https://www.a6-clinic.com)。

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