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人手不足、オーナーと本部、食品ロス…課題山積の「コンビニ」、今後進むべき道は?

コンビニが生き残っていくために

Q.食品ロスも社会的な問題となっています。

渡辺さん「私が調べた限りでは、コンビニでは1店当たり1日10~15キロの食べ物が廃棄されています。全国には5万8669店(2019年9月時点)のコンビニがあり、単純計算すると、年間21万~32万トンの食品ロスが発生している計算になります。食品ロスは減らすべきです。

一方で、コンビニ業界は商品を大量に仕入れて販売することで、欠品による販売機会の損失(機会ロス)を極力減らし、成長してきました。機会ロスと食品ロスを同時に減らすのは容易ではありません。そこで、コンビニ業界では(1)廃棄が近づいている商品の値引き販売やポイント還元(2)恵方巻きやクリスマスケーキをはじめとした季節商品の完全予約制(3)店頭に置ける期間の長いチルド食品・冷凍食品の販売拡大――といった取り組みを始めています。

(1)で値引き合戦が生じる懸念があるなど対策は万全ではありませんが、各社の動向に注目したいところです」

Q.コンビニが生き残っていくために必要なことは。

渡辺さん「何度も強調しますが、日本のコンビニは世界最高峰の小売店舗です。日本でラグビーワールドカップが開催された今秋、来日した記者の中で、『優勝国予想より、どのコンビニのサンドイッチが一番うまいかを予想する方が難しい』と言った人もいました。それだけ、日本のコンビニは海外の人にとって魅力的です。2020年の東京五輪・パラリンピック、2025年の大阪万博は、外国人観光客へうまくアピールできるチャンスです。

また、コンビニ各社は海外にも出店していますが、コンビニのビジネスモデルは、一般人が経済的にある程度成功している国で通用します。今後、東南アジアが発展することが予想されるため、そうした国々に積極的に出店していけば、海外で売り上げを伸ばすことができるのではないでしょうか。

解決すべき課題はいずれも難易度が高いものばかりですが、コンビニ業界はこれまでに世界最高峰の小売店舗をつくり上げてきましたし、最近は、本部が加盟店オーナーに寄り添い始めています。難局をうまく乗り切れると思います」

(オトナンサー編集部)

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渡辺広明(わたなべ・ひろあき)

流通アナリスト、マーケティングアナリスト、コンビニジャーナリスト

1967年4月24日生まれ。浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業後、ローソン入社。22年勤務し、店長、スーパーバイザーを経てコンビニバイヤーを16年経験、約700品の商品開発を行う。同社退社後、pdc、TBCグループを経て、2019年3月、やらまいかマーケティング(https://www.yaramaikahw.com/)を設立。同時期に芸能事務所オスカープロモーションに移籍し、オフラインサロン「流通未来研究所」を開設。テレビ、ラジオなどで幅広く活動する。著書に「コンビニの傘はなぜ大きくなったのか」(グーテンブック)「コンビニが日本から消えたなら」(KKベストセラーズ)

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