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6年ぶり1万人超え 業績好調企業が「早期退職者」「希望退職者」募集、なぜ実施?

予定人数が集まらなかったら?

Q.早期退職者、希望退職者を募集しても想定内の人数が集まらなかった場合、企業はどのように対応するのでしょうか。

大庭さん「事業の構造改革を行うなどの目的で早期退職や希望退職を実施する企業の場合、退職者数が予定人数に達しなかった際は、いったんそのときの従業員数で事業構造改革に着手した上で、時機を見て再度、早期退職や希望退職を募るケースが多いです。

一方、業績不振による人員カットを行う目的で早期退職や希望退職を実施する企業の場合は、従業員の残業の削減、レイオフ(一時休業や一時解雇)、賃金カットなどの対応を行い、それでも事業の継続が厳しい場合に整理解雇を行います。整理解雇というのは、企業側が解雇者を指名することです」

Q.社員の立場で見ると、早期退職、希望退職制度は得なのでしょうか。それとも、デメリットの方が多いのでしょうか。

大庭さん「対象となった人の環境によって、メリットやデメリットが発生します。例えば、定年間近だったなどある程度の年齢に達している人の場合、通常よりも多い退職金を手にした上で早めにリタイアし、第二の人生を謳歌(おうか)しているケースもあります。

一方、家族のために働き続けなければならない人の場合、再就職先が見つからない、再就職先が見つかっても給与水準が大幅に低くなり、仕事のやりがいも得られないなどの状況に陥るケースもあります」

Q.退職金などを割り増しで支払う企業もありますが、企業としてはメリットがあるということでしょうか。短期的には経営が苦しくなるのではないですか。

大庭さん「割増退職金の支払いなどで、一時的に財務上のダメージが発生します。大幅な特別損失が発生することで、その年の決算が赤字に陥るケースもあります。しかし、企業にとって人件費は最大の固定費であるため、人員を削減した後に利益を出しやすくなるというメリットが生じます。あるいは、従業員の若返りを図ることで社内が活性化し、成長する事業分野への参入が円滑に進むというようなメリットが生じることもあります」

Q.希望退職、早期退職の募集は来年も増えそうでしょうか。それとも、減少しそうでしょうか。

大庭さん「人口減少による国内市場の縮小化、グローバル経済化の進展による海外企業との競争の激化、インターネット社会の進展による消費構造の変化など、企業を取り巻く経営環境は変化し続けています。その影響で、時代に即した事業構造改革に取り組む企業が増えており、来年以降も募集が増えることが想定されます。

東京商工リサーチの発表では、2020年以降も、既に大手企業7社が計1500人を対象とした希望・早期退職を実施する方針を打ち出しているということです」

(オトナンサー編集部)

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大庭真一郎(おおば・しんいちろう)

中小企業診断士、社会保険労務士

東京都出身。東京理科大学卒業後、企業勤務を経て、1995年4月に大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心に企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。以下のポリシーを持って、中堅・中小企業に対する支援を行っている。(1)相談企業の実情、特性に配慮した上で、相談企業のペースで改革を進めること(2)相談企業が主体的に実践できる環境をつくりながら、改革を進めること(3)従業員の理解や協力を得られるように改革を進めること(4)相談企業に対して、理論より行動重視という考えに基づき、レスポンスを早めること。大庭経営労務相談所(https://ooba-keieiroumu.jimdo.com/)。

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