実は「晴れの年齢」!? 厄年の起源と意味を聞いてみた
「厄年だから厄払いをしないと」という会話をよく耳にしますが、そもそも「厄年」とは何歳のことで、どのような起源や意味があるのでしょうか。専門家に取材しました。
「今年は厄年だから厄払いを」。そのような会話や記述によく出くわしますが、そもそも「厄年」とは何歳のことを指し、その起源や意味はどのようなものでしょうか。オトナンサー編集部では、和文化研究家で日本礼法教授の齊木由香さんに聞きました。
「一定の地位や立場になる」意味も
齊木さんによると、厄年はそもそも、「厄難に遭う恐れが多いと信じて忌み慎む年」とされます。その起源は、天文、歴数、ト筮(ぼくぜい)などの知識を用いて吉凶や禍福を占う「陰陽道」にあり、これに基づき日時や方位の吉凶が定められたのと同時に、災いを招きやすい年である厄年もできたそうです。
「平安時代に書かれた日本最古の続き物語である『宇津保物語』にも厄年の記載が見られます。平安時代は貴族たちの間で毎年のように厄払いが行われていましたが、江戸時代に入って厄の風習が民間に定着すると、神社やお寺での厄払いが流行しました。現代では、成人儀礼の一種として定着しています」(齊木さん)
厄年は一般的に、男性が「25歳」「42歳」「61歳」、女性が「19歳」「33歳」「37歳」とされています。とりわけ男性の42歳(死に)、女性の33歳(散々)は「大厄」と呼ばれ、凶事や災難に遭う率が非常に高いということです。また本厄以外にも、注意しなければならない年として、前後1年の「前厄」と「後厄」があります。前厄は、厄年に向かっていく期間であり、本厄の次に慎むべき年。後厄は厄年の次の年で、厄の恐れが徐々に薄らいでいくため「厄晴れ」とも言われます。
「厄年と言うと悪いものと考えられていますが、『晴れの年齢』という考え方もあります。厄年を迎える、特に大厄などの年齢の時期は、男性であればその地域において一定の地位や立場になることを意味し、さまざまな『役目(役)』が与えられる年には、心身の清浄を心掛け、言動を慎むなど生活を改める必要があるとされ、厄払いをして穢(けが)れを払うのです」
コメント