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災害から愛する「ペット」を守るのは、避難所頼みでない飼い主のサバイバル力

「サバイバル力」どう身に付ける?

Q.サバイバル力を身に付けるためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。

平井さん「まずは居住地周辺のハザードマップを確認してください。2018年の西日本豪雨で、ハザードマップの精度が高いということで注目されました。非常に役立ちます。指定されている避難所によっては、近くに川があったり、崖の上にあったりする場合もあるので複数の避難場所を想定しておくことです。また、『今、災害が起こったらどうする?』と普段からシミュレーションをする癖をつけるのも有効だと思います」

小林さん「災害時の避難所運営は自治会(町内会)が主体となっていることが多いです。まずは自治会への参加から始め、その上で『災害時に避難所でペットを受け入れてもらえるのか』など、普段から話し合う必要があります。地域の理解を得ずに、いきなり災害時の混乱している状況の中でペットの同行避難を要求することは無理があります」

Q.頼れる人がいない、また、ペットの受け入れ可能な避難所が近くにない場合、どのように対応すればいいのでしょうか。

小林さん「その動物病院が安全な場所にあることが前提になりますが、災害時に預かってもらえないか、かかりつけの獣医師に相談してみてはいかがでしょうか。今回、台風19号が上陸する前に『避難所に入れないので犬を預かってください』と私の病院に連絡してきた患者さんがいました。あらかじめ、そのような連絡が入ることを想定していたためスムーズに受け入れることができました。

獣医師なので、動物の命を守るためには何をすべきかをいつも考えています。災害時に病院で預かれないか交渉することは迷惑なことではありません。また、トリミング店やペットホテルなど、動物病院以外にも頼れる場所があれば、そちらにも相談してみてもいいかもしれません」

(オトナンサー編集部)

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小林元郎(こばやし・もとお)

獣医師

米ニューヨーク州マンハッタンのAnimal Medical Centerにて研修(1990~1991年)。1993年、成城こばやし動物病院を開業。公益社団法人東京都獣医師会副会長、先制動物医療研究会副会長、東京城南地域獣医療推進協会(TRVA)理事、アジア小動物獣医学会所属。

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