鈴木亜美さん、妊娠で“激辛断ち”宣言! 妊婦さんは激辛料理を控えた方がよい?
第2子を妊娠した歌手の鈴木亜美さんが、大好きな激辛料理をしばらく控えると報告。妊娠中に激辛料理を食べるのは、NGなのでしょうか。

歌手の鈴木亜美さんが先日、第2子妊娠を自身のインスタグラムで報告し、「大好きな激辛もしばらくお休み」とつづりました。鈴木さんは激辛料理を食べるバラエティー番組の企画で、毎回涼しい顔をして完食するほど辛い料理に強いことで有名です。現在、妊娠中の人の中にも激辛料理が好きな人がいるかもしれませんが、刺激が強い激辛料理を妊娠中に食べることはNGなのでしょうか。産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。
辛み成分は胎児に運ばれない
Q.妊娠中の飲酒は避けなければいけないといわれていますが、激辛料理を食べることもNGなのでしょうか。
尾西さん「激辛料理を食べること自体が、妊婦に何か影響するということは基本的にはありません。そのため、激辛料理を妊娠中に食べてもOKです。
基本的には、お母さんが何を食べても一定の必要な栄養素がへその緒から胎児に運ばれ、不要なものは運ばれないようになっていますが、飲酒は胎盤やへその緒を通して胎児にアルコールが運ばれてしまうため、悪影響を及ぼします。そのため、妊娠中の飲酒は禁止されていますが、激辛料理の辛み成分が胎盤やへその緒を通して胎児に運ばれることはないため、激辛料理自体が直接、胎児に影響を及ぼすことはありません。
ただ、間接的に胎児への影響が出ることがあるため、妊婦が激辛料理を食べるときには知っておきたい、そして注意しておいた方がよいことはあります」
Q.激辛料理を食べるときに知っておきたい、注意しておいた方がよいこととは。
尾西さん「激辛料理に含まれる香辛料は粘膜刺激作用が強く、胃痛や胃炎、下痢、腹痛を起こしやすくなりがちです。特に、妊娠中は女性ホルモンの影響で胃腸の働きが弱まっているため影響を受けやすく、食べ過ぎに注意が必要です。
また、辛い物を食べると喉が渇くので水分を多く取りがちになります。妊娠中はただでさえむくみやすいので、水分を取り過ぎるとむくみが悪化しやすくなります。加えて、激辛料理に含まれる香辛料は一般に食欲増進作用があるものが多く、一緒にご飯や麺類を多く食べることで体重が増加する可能性があります。こうしたことで妊娠高血圧症のリスクが上がる危険性があるため、食べ過ぎには要注意です。
また、香辛料の中には、子宮収縮作用などを持ち妊娠中は避けた方がよいものがあるため、多種類の香辛料が使われている料理の場合、どのようなものが使われているか確認した方がよいでしょう。ただし、大量に取らなければ問題はありません」
Q.激辛料理は、妊婦にとってメリットはあるのでしょうか。
尾西さん「激辛料理には香辛料が多く含まれていて、食欲増進作用があるので、食欲がないときに少し食べるのがよいでしょう。唐辛子に含まれるカプサイシンという成分が発汗や代謝を促進するため、体を一時的に温めたり、血行を促進したりする働きがあります。
特に、寒い時期に食べるのはよいと思います、ただし、汗をかいた後に冷えるので早めに着替え、保温に努めましょう。また、運動前に食べることで代謝が上がりやすくなるため、肥満気味の妊婦さんにはおすすめです」
Q.鈴木亜美さんのように、辛い料理に強く、普段から食べ慣れている人はどうでしょうか。
尾西さん「韓国人やインド人が妊娠中も通常のご飯を食べているのと同じく、普段から辛い料理を食べ慣れている人は、刺激物の消化能力が高いと考えられます。ただ、日本人は遺伝的には和食が一番負担なく消化・吸収できる体質なので、消化能力の落ちている妊娠中は基本的には和食が望ましいです。
ただ、妊娠期間の10カ月は我慢というのもつらいと思うので、先述のことに気を付けて、たまに食べる程度であれば問題はありません」
Q.飲酒は妊娠中だけではなく、授乳期も控えた方がよいとされていますが、激辛料理も授乳期に何らかの配慮をした方がよいのでしょうか。
尾西さん「母乳成分も基本的には、お母さんの食べた物の成分が一定程度含まれるといわれています。授乳中に激辛料理を食べることは問題ありませんが、赤ちゃんによっては激辛料理を食べた後の授乳を拒否することもあるため、もしも母乳を飲まないということであれば、授乳時間と食べる時間を空けましょう。
妊娠すると、『あれも食べちゃダメ! これも食べちゃダメ!』と制限されることばかりでストレスがたまることが多いと思いますが、コーヒーのカフェインと同じように程度の問題なので、先述したことに注意しながら賢く楽しく食べましょう」
(オトナンサー編集部)
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