立秋~処暑過ぎてもまだ暑い! 夏バテ予防に効果的な発酵食品ベスト5
東京で猛暑日が過去最多となるなど、例年になく暑かった今年の夏。気になる「夏バテ」予防に効果的な発酵食品をご紹介します。
今年の夏は例年になく暑くなりました。立秋~処暑が過ぎ、台風も過ぎ去りましたが、秋の訪れはまだのようです。気象庁によれば、今年の東京は、8月に入ってから暑さが厳しくなり、最高気温35度以上の猛暑日が過去最多となりました。
暑さで気になるのが「夏バテ」です。夏バテは、暑さによる疲れが蓄積して体力を消耗した結果起こる食欲不振などの体の不調のこと。早めに体の疲れを取ることが大切です。
今回は夏バテ予防に効果的な発酵食品について解説します。話を伺ったのは、発酵ライフクリエイターの奥田涼子さん。長期保存が可能で加熱せずに食べられる発酵食品の活用方法について研究中です。現在、発酵食品教室で発酵学の講師として活動しています。
夏バテ予防に効果的な発酵食品ベスト5
・第5位「キムチ」
キムチには多種多様な乳酸菌だけでなく、代謝をよくする辛味成分の「カプサイシン」、たっぷりの野菜を使って作るので食物繊維も豊富です。キムチは乳酸発酵食品なので、時間の経過とともに酸味が増していきます。「すっぱいキムチ」は乳酸菌たっぷりの証し。キムチに含まれるニンニクの成分「アリシン」はビタミンB1の吸収を高めてくれます。ビタミンB1をたっぷり含む「豚キムチ」は夏バテにぴったりです。
・第4位「納豆」
納豆は大豆を納豆菌で発酵させたもので、ビタミンB1を含みます。発酵することで大豆より栄養価がアップしているだけでなく、栄養素が吸収されやすくなります。汗をかくと流れ出てしまうマグネシウムなどのミネラルも補うことができるので夏バテにお薦めです。キムチと合わせた「キムチ納豆」「キムチ納豆ぶっかけそうめん」もいいですね。
・第3位「ぬか漬け」
野菜をぬか漬けにすると、ビタミンB1が増えます。ぬか床に使う米ぬかがビタミンB群の宝庫だからです。ビタミンB群は水に溶け出る性質があるので、ぬかのビタミンB群が水に溶けて野菜に浸透していきます。ぬか漬けにはキムチ同様、乳酸菌が豊富です。しかも、ぬか漬けには「ラクトバチルス・プランタラム」という、生きたまま腸に届く力が強い乳酸菌が含まれています。
・第2位「甘酒」
甘酒はここ数年ブームではありますが、江戸時代から夏バテ予防の食材として食されてきました。甘酒の効能はたくさんありますが、お薦めは「甘酒」と「酢」の組み合わせ。お酢の成分「酢酸」は体内で「クエン酸」となり疲労回復にぴったりです。甘酒、リンゴ酢、水、塩を火にかけ、沸騰したらすぐに火を止めて冷まし、好きな野菜を入れて漬けるだけです。瓶にストックしておけば、いつでも食べられます。
・第1位「フルーツ水キムチ」
夏バテ予防には何といっても、水分とミネラルの補給が大事です。熱中症対策として、意外と知られていないのがミネラルの補給です。汗をかくと失われてしまうカルシウム、マグネシウム、カリウムと塩分を取ります。最適なのは「フルーツ」「塩」の組み合わせ。発酵食品でいうとフルーツ水キムチ(フルーツ+塩)です。
この機会に発酵食品を食べて、夏バテしない体づくりをお試しください。夏場に大量に汗をかくと水分と塩分が失われます。失った水分と塩分を早めに補うためにこまめな水分補給が必要です。また、寝不足気味になるので睡眠の質を上げるようにしましょう。秋はもう目の前です。この残暑を乗り切っていきましょう。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)
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